【新型モデルY日本上陸!】イメージと違う?最新モデルに見る、着実に進化を果たしたテスラの実像

公開 : 2025.02.13 11:45

テスラの新型『モデルY』が日本に上陸しました。2003年の創業時から取材を重ねてきた桃田健史が、現行モデルYを公道で試乗し新型との走りの差を想像しつつ、これまでのテスラを振り返ります。

現行モデルYを公道で試乗しながら

テスラの新型『モデルY』が日本に上陸した。実車を確認できるとあって期待していたのだが、残念ながら今回はナンバープレートが装着されていない展示車の状態。そのため、現行モデルYを公道で試乗しながら、新型との走りの差を想像した。

場所は、JAIA(日本自動車輸入組合)が行う恒例のメディア試乗会だ。毎年2月上旬を目処に神奈川県内で実施されるもので、輸入車ブランドを多くが最新モデルを取り揃える。

現行モデル(左)と新型(右)のテスラ・モデルY。ヘッドライトまわりの意匠がだいぶ異なる。
現行モデル(左)と新型(右)のテスラ・モデルY。ヘッドライトまわりの意匠がだいぶ異なる。    桃田健史

では早速新型モデルYの実車を見てみよう。配布された資料によれば、『エクステリア、インテリアのみならず、乗り心地や効率性を向上させて生まれ変わった』とある。

現行モデルと新型を並べてみると、明らかに違うクルマに見える。現行モデルではガッシリとした筋肉質のイメージなのに対して、新型はスゥっとして見えるが力強さがある。ボディ寸法は、全長4800mm、全幅1920mm、全高1625mmで、ホイールベースは2890mm。

テスラのデザインは直近で、量産されている『サイバートラック』と、昨年10月に米ロサンゼルス郊外で実施したテスラ独自イベント『We,Robot』で初公開した完全自動タクシー『サイバーキャブ』に、直線基調のデイタイムランニングライトを採用している。これを新型モデルYにも取り入れたということは、まさにこれがテスラの新たな論とるデザインアイコンである証明だと言える。

リアビューもかなり印象が違う。拡散反射技術を採用したボディパネルテールライトとした。先進性と独自性が一気に増した印象だ。ルーフガラスには、シルバーメッキコーティングが施され、遮熱効果が26%向上した。

気になる乗り心地の進化

次にインテリアだが、すぐに分かるのはリアシートだ。座面が1.5cm伸びて、またヘッドレストは幅が1.7cm広がっている。また背もたれが電動調整可能となった。機能的には、テスラ独自の特許技術を用いたエアフローシステムによる前席のベンチレーションが標準装備となった。

こうして新型モデルYをじっくり見た後、現行モデルYで走り出した。改めてだが、一般的な自動車メーカーが造るEVとは明らかに違う設計思想を感じる。試乗したのは前後にモーターを持つデュアルモーターだったこともあるが、ハンドリングについてはクルマの動きをモーターが主導するイメージが強い。

現行モデルYに試乗。一般的な自動車メーカーが造るEVとは明らかに違う設計思想を感じる。
現行モデルYに試乗。一般的な自動車メーカーが造るEVとは明らかに違う設計思想を感じる。    桃田健史

しかも、加速は強烈だ。『モデル3』でも言えることだが、外から見た印象より実際に走ってみると、その速さに驚く。また、乗り心地については、モデル3とモデルYそれぞれがこれまで、段階的に向上してきたことを、テスラを定点観測しながら実感してきた。

その経緯を振り返ってみると、特に初期のモデル3は路面からクルマに対する入力に対してダイレクト感が強かった。簡単に表現すれば、足が硬かった。また、並走した状態で外からその動きを見ると、短い周期での上下動が大きいことがひと目で分かるほどだった。

次の段階では、路面からの入力に『角(かど)』がなくなり、クルマ全体としてドッシリ感が増した。そうした改良がモデルYにも反映されていく。現行モデルでは、乗り心地が硬いという感想はないのだが、直近で登場している欧米各社の新型EVと比べると、「もう一段、マイルドさが出ても良いかもしれない」という印象を筆者は持っていた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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