マカン似の電動SUVがUKへ スマート#3 ブラバスへ試乗 路面を掻きむしる428ps

公開 : 2025.03.06 19:05

タッチモニターへ集約された車載機能

シンプルなダッシュボードで存在感を示すのは、12.8インチのタッチモニター。ドライバーの正面には、9.2インチのメーター用モニターと、10.0インチの投影エリアを誇る、ヘッドアップ・ディスプレイが用意される。

実際に押せるハードスイッチは、ステアリングホイール上にいくつか。ドア側には、パワーウィンドウのスイッチもある。タッチモニターの下には、タッチセンサーが並ぶ。

スマート#3 ブラバス(英国仕様)
スマート#3 ブラバス(英国仕様)

装備は充実しており、ブラバスの場合はベンチレーション機能付きのシートや、トノカバー、照明内蔵のサイドシル・プレート、ヒーター内蔵ステアリングホイールなどが追加される。シートは硬め。センターコンソールは、ワイドすぎるかもしれない。

フロントシート側の人間工学は、もう少し洗練されて良い。主要機能のボタンやアイコンが足りず、タッチモニターは反応が遅い。メニュー構造も理解しにくいだろう。アップル・カープレイを利用中に、エアコンの温度を変えるといった作業もひと手間だ。

ホーム画面の左下には、チーターのマスコットが描かれる。特に、機能へ関係するわけではないけれど。

路面を掻きむしり突進 優れた高速安定性

公道へ駆け出してみれば、#3 ブラバスは本当に速い。100km/hまでは、ランボルギーニウルスと同等の勢いで加速するのだから。しかも電気モーターがゆえに、何度でも、簡単に全力ダッシュを繰り出せる。

スポーツ・モードを選びアクセルペダルを蹴飛ばすと、強力なバッテリーEVらしく、路面を掻きむしるように突進する。ロケットローンチ・モードを選べば、ラインを乱すことなく一心不乱。最大トルクは、システム合計で55.2kg-mある。

スマート#3 ブラバス(英国仕様)
スマート#3 ブラバス(英国仕様)

一方で、住宅地や都心部などの速度域でも扱いやすい。これは、歓迎すべき二面性だろう。パワーは漸進的に発生し、加速は滑らか。速度上昇を予想しやすく、ストップ&ゴーの連続でボディが前後へ傾くこともない。

回生ブレーキは3段階から選択できるが、パドルなどで簡単に切り替えられないのは惜しい。最も弱くすると、緩やかな下り坂で惰性走行できる。

ブラバスのサスペンションは、通常の#3より35mm低く、走行時の安定性も素晴らしい。ステアリングは正確で、操る自信を抱かせる。トラクションは高く、カーブを狙い通りのラインですり抜けられる。

だが手のひらへの感覚は薄く、淡白なパワートレインの質感と相まって、気分の高揚度は高くない。すばしっこく駆け回れる、アルピーヌA290級の楽しさまでは備わらない。

1910kgある車重を考えると、乗り心地はしなやか。ローダウンされた容姿と、大きなアルミホイールから想像する以上に、落ち着いている。路面の凹凸を巧妙にいなし、高速道路でのロードノイズもよく抑えられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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