【性能向上で廃棄物も低減】マクラーレンが新世代カーボン・ファイバー技術を開発 W1に採用

公開 : 2025.03.09 08:05

ART工法導入の利点

マクラーレンART』では炭素繊維の配置を自在に調整することが可能となる。そのためエンジニアは素材の制約から解放され、耐荷重性や剛性に関して、従来では不可能だった技術革新を実現できる可能性が生まれた。

例えば特定の方向で剛性を強化し、他の方向では柔軟性を持たせるという『素材の異方性を活かした剛性』を実現させることも可能となる。

マクラーレンの次世代カーボン・ファイバー技術『マクラーレンARTカーボン・ファイバー』
マクラーレンの次世代カーボン・ファイバー技術『マクラーレンARTカーボン・ファイバー』    マクラーレン

したがって、高負荷の複雑な空力コンポーネントの設計に、新たな方法論を展開できるのだ。

さらに強度重量比の最適化も可能となる。部品のジョイントや外縁部、接合部などの大きな応力や負荷が掛かる部分には炭素繊維を集中させ、付加の小さな部分では不要な素材を削減できるからだ。

また、テープの長さを正確に測定し積層していくため、再利用できない不揃いな炭素繊維の切れ端を大幅に削減できる。具体的には部品1個に対し積層された原料のうち、最大90%が最終製品の一部となる。

生産工程は自動化されているので、ヒューマン・エラーによる素材の裁断の不正確さや損失を減らすことができ、大幅に歩留まり改善される。そして製造時間の短縮とコストの低減にもつながるのだ。

その結果、カーボン・ファイバーの採用部位の拡大も可能となり、カーボン・モノコックだけでなく、超軽量なボディパネルをさらに広く採用することも現実的となる。

MCTCではすでにこの高速積層機のプロトタイプが稼働中で、2025年中には量産スペックの機器にアップスケールされ、生産量も拡大する予定だという。

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  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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