8年目でも訴求力高し ランドローバー・ディスカバリーへ試乗 頼もしい6気筒ディーゼル

公開 : 2025.04.03 19:05

高めの着座位置 広々とした3列シート

タッチモニターの下部には、エアコン用のハードスイッチ。温度やシートヒーターなどには、実際に押せるノブやボタンが並び、使い勝手に優れる。その間に収まる、タッチセンサーは若干扱いにくいが。

センターコンソールには、シフトセレクターとテレインレスポンス2のダイヤル。ワイヤレス充電パッドやカップホルダーなど、気配りも利いている。

ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)

着座位置は高めだが、頭上空間は狭くない。パワーシートは調整域が広く、ステアリングコラムも電動で動くため、快適な姿勢を探しやすい。

2列目も広々。エアコンの送風口が備わり、大人3人でも、そこまで窮屈には感じないはず。60:40の分割でスライドでき、背もたれを個別に折りたためるのも便利だ。3列目は、2名の大人へ対応。チャイルドシートを固定する、ISOFIX金具が備わる。

荷室容量は、クラス最大級。テールゲート側のボタンで車高を下げることができ、重い荷物の積み下ろしやトレーラーの接続時に重宝する。また、格納式のベンチも備わる。

メトロポリタン・エディションの場合は、マッサージ機能に4ゾーンエアコン、センターコンソールの保冷庫なども用意される。7シーターのSUVとして、実用性は間違いない。

発進時からたくましい6気筒ディーゼル

それでは、公道へ出てみよう。ディスカバリーは大きなSUVだが、6気筒ディーゼルターボはトルクフルで、発進時からたくましい。0-100km/h加速は5.9秒で、追い越し加速も、4代目と比べて遥かに短時間で処理できる。

高速道路のクルージングは安楽でありつつ、アイドリング時も静かで上質。アクセルペダルを踏み込むと、重厚なサウンドを放ちながら、大パワーが湧出する。最大牽引重量は3500kgがうたわれ、小さなトレーラーの牽引などは余裕といえる。

ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)

8速ATは素早く滑らかにギアを切り替え、ステアリングホイール裏のパドルで任意に変速も可能。MTモードでも、スマートさは変わらない。ブレーキペダルは、ストロークが長め。低速域では、制動力がやや突然立ち上がるような感覚はあるが。

砂地や沼地をものともせず、45度の斜面を登れるほどの走破性を考えると、オンロードでの質感には感心せずにいられない。新しいプラットフォームとエアサスペンションを獲得し、洗練され訴求力の高い運転体験を醸成している。

アウディQ7BMW X5ほど、スポーティな走りは披露しない。それでも、重めのステアリングホイールの反応は正確。車重2.4tのSUVだと考えると、操縦性は充分に褒められる。日常的な環境で、最高のパフォーマンスを引き出せるタイプといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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