8年目でも訴求力高し ランドローバー・ディスカバリーへ試乗 頼もしい6気筒ディーゼル

公開 : 2025.04.03 19:05

落ち着いた乗り心地 2025年でも堅実な選択肢

連続するコーナーでは、ボディの大きさや重さは隠せず、ボディロールが小さくない。そのかわりサスペンションはしなやかに動き、硬めに設定されたSUVより、穏やかに長距離をこなせるのは強みだろう。

路面の凹凸は巧みにいなされ、波長の長いうねりなどでボディが翻弄されることもない。22インチと大径ホイールの影響で、やや鋭い衝撃が伝わる場面はあったが、落ち着いた乗り心地には威風堂々とした趣すらある。おおらかなクルージングが、良く似合う。

ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)

遮音性は低くないものの、背の高いボディが故に、走行時の風切り音は大きめ。肉薄なタイヤを履くため、試乗車はロードノイズも小さくなかった。

燃費は、カタログ値で11.8km/L。今回の試乗では、市街地や郊外の道を走らせた平均が11.5km/Lで、高速道路の巡航では12.0km/Lを超えていた。燃料タンクの容量は、89Lとのこと。

モデルチェンジが近づく、5代目ディスカバリー。新鮮味は薄れたかもしれないが、動的能力に優れ、上質で実用性の高い7シーターSUVとして、まだまだ訴求力は高いといえる。大きさの割に運転しやすく、路上での存在感は小さくない。

確かに、オンロードでの利用を重視するなら、Q7やX5の方をオススメしたくはなる。しかし、ランドローバーとして悪路性能は間違いなし。直列6気筒ディーゼルターボは非常に頼もしい。2025年でも、堅実な選択肢であり続けている。

◯:群を抜くオフロード性能 本物7シーター
△:少し癖のあるテールゲートのデザイン 燃費はライバルの方が良い

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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