【狙いはポルシェ】中国発プレミアムブランド『デンツァ(騰勢)』 4人乗りグランドツアラー欧州発売へ

公開 : 2025.04.14 06:45

ユニークな最新技術が満載

デンツァによると、Z9 GTのプラットフォームは従来のクルマよりもはるかに高度なシステム統合が可能で、車両の安定性を高め、180km/hの速度でタイヤがバーストしても安全に対処できる能力を持っているという。

EVとPHEVの両バージョンに搭載される2基のリアモーターは、独立した制御が可能であり、後輪操舵システムに対応している。後輪は左右逆に回転できる上に、個別の操舵も可能だ。リアタイヤを上から見て、車両の中心に向ける「トーイン(内股状態)」と、車両中心から離れる方向に向ける「トーアウト(ガニ股状態)」がある。

Z9 GTのインテリア
Z9 GTのインテリア    デンツァ

ガニ股状態のままリアタイヤを左右逆に回転させ、フロントアクスルを中心にクルマを旋回させることができ、4.62mという小型車並みの最小旋回半径を実現している。また、いわゆる「カニ歩き」も可能で、狭いスペースでもほぼ並行移動することができる。

Z9 GTはプラットフォームのCTB構造により、一般的なEV設計に比べて15mm広い室内空間を誇る。キャビンには、17.3インチの大型インフォテインメント・スクリーンや13.2インチの助手席専用ディスプレイなど、高級素材とテクノロジーにも重点を置いている。

デンツァは、D9 GTに続いて、「プレミアムクラスのミニバン市場を再定義する」という7人乗りのD9も欧州市場に投入する予定だ。

デンツァの設立と成長

デンツァはBYDとダイムラー(メルセデス・ベンツの親会社)による合弁会社として、2010年に中国で設立され、2014年に最初の車両を発売している。

2021年、メルセデス・ベンツは持ち株比率を10%に引き下げたが、このときデンツァの販売に不満を抱いているとの報道もあった。昨年9月、BYDはデンツァの株式をすべて買い取り、ブランドの全権を掌握。その後、ラインナップを刷新し、現在はe3プラットフォームをベースとした4車種を展開している。

Z9 GTは欧州プレミアムブランドに真っ向勝負を挑む。
Z9 GTは欧州プレミアムブランドに真っ向勝負を挑む。    デンツァ

デンツァ(騰勢、Denza)というブランド名は当初、「上昇するパワーと勢い」を意味すると言われていたが、現在はブランドの価値観である「Diverse(多様性)」、「Elegance(優雅)」、「Novel(斬新)」、「Zenith(頂点)」、「Aspirational(向上心)」の頭文字をとったものと説明されている。

モデルの命名戦略もこれを反映したもので、それぞれブランド名に含まれるアルファベット(Dはミニバン系、NはSUV系、Zはセダン系)が付けられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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