サファリ再導入に続きコチラは? 日産キャシュカイ(旧デュアリス) MHVへ試乗 満遍なくイイ

公開 : 2025.04.13 19:05

欧州でヒット中のキャシュカイ 1.3LガソリンのマイルドHVは140psか158ps 小改良で向上した内装の質感 優れた車載機能の操作性 快適なクルージング 程よくタイトな乗り心地 英編集部が評価

1.3LガソリンのマイルドHV 140psか158ps

欧州でヒット中のクロスオーバー、日産キャシュカイ(旧デュアリス)。電動化の未来への架け橋として、3代目も安心して選んで欲しいと、シリーズ式ハイブリッドのe-パワーを軸に市場へ訴求している。

これはエンジンで発電し、駆動用モーターでの滑らかな走りを実現しつつ、充電の手間をなくした革新的な技術といえる。コスト高なプラグイン・ハイブリッドやバッテリーEVに代わる、第3のパワートレインとして、日産は自信を滲ませていた。

日産キャシュカイ(旧デュアリス)DIG-T 158マイルド・ハイブリッド 2WD N-コネクタ (英国仕様)
日産キャシュカイ(旧デュアリス)DIG-T 158マイルド・ハイブリッド 2WD N-コネクタ (英国仕様)

しかし英国の場合、ユーザーはまだ保守的だったようだ。グレートブリテン島で売れているキャシュカイは、約6割が電圧48Vのシステムを搭載したマイルド・ハイブリッドが占めているという。今回は、そちらへ試乗してみよう。

主な動力源となるエンジンは、1.3L 4気筒ガソリンターボ。最高出力は140psか158psの2種類から選択できる。トランスミッションは、6速MTかCVTを組めるが、四輪駆動がご希望なら後者のみとなる。

複雑なシステムが載らないぶん、マイルド・ハイブリッドはe-パワーよりお手頃。約3000ポンド(約59万円)ほど低い価格設定が、強みとなっている。競合のヒョンデ・ツーソンやキア・スポテージなどより、残価設定プランの支払額も小さいそうだ。

向上した内装の質感 優れた車載機能の操作性

3代目キャシュカイは、2024年に大きめのアップデートを受けている。フロントグリルは大胆なデザインへ一新され、新しいボディカラーとアルミホイールが追加。シャープなヘッドライトが、凛々しい表情を生み出している。

インテリアの質感も大幅に向上。上位グレードを指定すれば、アンビエントライトやアルカンターラ内装を得ることも可能になった。

日産キャシュカイ(旧デュアリス)DIG-T 158マイルド・ハイブリッド 2WD N-コネクタ (英国仕様)
日産キャシュカイ(旧デュアリス)DIG-T 158マイルド・ハイブリッド 2WD N-コネクタ (英国仕様)

今回の試乗車はミドルグレードのN-コネクタで、そこまでの高級感はないものの、充分に上質。ソリッド感が高く、装備も充実している。普段使いが前提の日産として、筆者はこのグレードがキャシュカイのベストだと思う。

インフォテインメント・システムは、グーグル・ベースの新システム。エアコンには独立した操作パネルが残され、便利なショートカットボタンもあり、車載機能の操作性はかなり優れる。これも、強みの1つだろう。

荷室はやや狭いが、車内空間や実用性も、同クラスでは上位側。ひと回り大きいフォルクスワーゲンティグアン程とはいえないまでも、フォード・フォーカスなどと比較すると、遥かに使えるクルマだと実感できるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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