【2台の日本初上陸モデルも披露】希少新旧アバルトが富士に集結!『グランプレミオ・スコルピオニッシマ』開催

公開 : 2025.04.20 11:45

日本を代表するクラシック・アバルトを中心とするオーナーズクラブ『クラブ・アバルト・ジャポネ』によるサーキットイベント、『グランプレミオ・スコルピオニッシマ』が開催されました。上野和秀のレポートです。

今年の年次イベントはショートサーキットで開催

日本を代表するクラシック・アバルトを中心とするオーナーズクラブである『クラブ・アバルト・ジャポネ』によるサーキットイベント、『グランプレミオ・スコルピオニッシマ』が3月20日に富士スピードウェイで行われた。

これまで同クラブは、年次イベントとしてアバルト・ディの中で3度にわたりアバルトのクラシケモデルによるサーキットデモンストレーションランを行い、国内外から多くの反響を得てきた。

アバルトが3リッタークラスを闘うマシンとして開発した、フィアット・アバルト3000スポルト・スパイダー・プロトティーポが日本初披露。
アバルトが3リッタークラスを闘うマシンとして開発した、フィアット・アバルト3000スポルト・スパイダー・プロトティーポが日本初披露。    上野和秀

そこでクラブ・アバルト・ジャポネにしかできない、アバルトらしい年次イベントとして開かれたのが『グランプレミオ・スコルピオニッシマ』なのである。

富士スピードウェイのショートサーキットを1日占有し、サーキット走行はもちろん、クラブミーティングの場としても楽しめるプログラムが用意された。

イベント名の『スコルピオニッシマ』は、イタリア語でサソリを意味する『スコルピオーネ』に、絶対最上級を形成する『~ISSIMA』を付け加えた造語となる。すなわち『最もアバルトらしい』という意味が込められているわけだ。

新旧の特別なアバルトが集結

クラブ・アバルト・ジャポネのイベントだけに貴重なクラシック・アバルトを始めとする49台が集まった。フィアット600をベースとする750GTザガート、1000ビアルベーロに加え、シムカ2000コルサなどのGTモデルに加え、スポーツプロトタイプの1300SPが並んだ。

フィアット600をベースとするベルリーナ系は、最初のモデルである750デリバツィオーネから850TC、1000TC、そして1000TCRこと1000ベルリーナ・コルサ・グループ2といったアバルトを象徴するハコが勢揃いした。またチンクェチェントをベースとする595系も2台が姿を見せた。

クラブ・アバルト・ジャポネのイベントだけに貴重なクラシック・アバルトを始めとする49台が集まった。
クラブ・アバルト・ジャポネのイベントだけに貴重なクラシック・アバルトを始めとする49台が集まった。    上野和秀

このほか124アバルト・ラリー、131アバルト・ラリー、ランチア・ラリー・エヴォリューション2など、アバルトが手掛けラリーで活躍したコンペティションモデルも雄姿を見せた。

このほか21世紀になってアバルト・ブランドが復活してから送り出された500/595/695の各タイプや、グランデ・プント、124スパイダーも数多く参加した。

124スパイダーの中には、アバルトのスペシャルショップとして支持されているトゥルッコが製作した124GTが参加し、高いパフォーマンスを披露した。このほかカラビニエーリ(イタリア国家憲兵隊)カラーで仕上げられたマニアックな124スパイダーも注目を集めていた。

走行プログラムは時代やパフォーマンスを考慮した5クラスに分けられ、それぞれ午前2本、午後に1本の走行枠が用意された。また走り足りないオーナーのために、15時の閉会式の後はフリー走行枠が設けられ、17時のコースクローズドまで存分に走ることができた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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