富士でイタリアからやってきた伝説のラリーカーたちに悶絶した話【新米編集長コラム#22】

公開 : 2025.03.09 11:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第22回は、現在富士モータースポーツミュージアムで開催中の、伝説のラリーカー展示イベントがテーマです。

イタリアから伝説のクラシックラリーカー6台が来日

昨年秋のこと。富士モータースポーツミュージアムで『ザ・ゴールデンエイジ・オブ・ラリー・イン・ジャパン』と呼ばれる、イタリア・マカルーゾ財団のクラシックラリーカー6台を含む展示が11月27日から行われることを知った。開始日にはプレスカンファレンスもあるというではないか。

その6台とは、
ミニ・クーパーS(1966年)
ランチア・ストラトス(1973年)
フィアットX1/9アバルト・プロトティーポ(1974年)
フィアット131アバルト・グループ4(1978年)
ルノー・サンク・ターボ(1981年)
アウディ・クワトロ(1981年)
と、まさに豪華絢爛。しかも全て、ラリーで戦績のあるマシンばかりだ。

富士モータースポーツミュージアムで4月8日まで開催中の『ザ・ゴールデンエイジ・オブ・ラリー・イン・ジャパン』。
富士モータースポーツミュージアムで4月8日まで開催中の『ザ・ゴールデンエイジ・オブ・ラリー・イン・ジャパン』。    平井大介

さらに以下の国内にある5台も、展示に加わっている。
トヨタ222D(1985年二次試作車)
トヨタ・セリカ・ツインカムターボTA64(1984年)
トヨタ・セリカST185(1995年)
三菱ランサーエボリューションIII(1995年)
スバルインプレッサ555(1996年)

残念ながらプレスカンファレンス当日はどうしても外せない取材が重なってしまい出席できず、それ以降もなかなか時間がとれなかった。昨年夏に静岡県東部に移住し、ミュージアムまでクルマで1時間弱の距離だというのに!

しかし、その距離にあるうちに見ておきたく、会期終了が4月8日と迫ってきたためなんとか時間を捻出。他の予定を入れないよう事前に取材のアポまでとって、富士に向かった次第である。

ジーノ・マカルーゾ・ヒストリックカー財団とは?

マカルーゾ財団、正確に書けば『ジーノ・マカルーゾ・ヒストリックカー財団』とは、1960年代後半から1970年代にかけてフィアット・アバルト・ラリーチームのコドライバーやX1/9アバルトの開発リーダーなどを務めた、ルイージ・マルカーゾ(通称ジーノ)さんが亡くなった後に彼の家族が2018年に立ち上げたものだ。

ジーノさんはドライバー引退後、スイスの名門時計メーカー『ジラール・ペルゴ』の経営者などを務めた。その一方でモータースポーツへ情熱を傾け後進の育成をしつつ、貴重なラリーマシンを中心にコレクションを続けていたが、2010年に急逝してしまう。財団はそんな彼の遺志を継ぐものだ。

『ジーノ・マカルーゾ・ヒストリックカー財団』のコレクションのうち6台が来日。
『ジーノ・マカルーゾ・ヒストリックカー財団』のコレクションのうち6台が来日。    平井大介

立ち上げ後、様々な活動がある中で、2022年には財団の車両18台が一堂に会する『ザ・ゴールデン・エイジ・オブ・ラリー』をトリノ自動車博物館で開催。今回の富士における展示の元になった。

きっかけはトヨタ自動車の豊田章男会長と、財団の代表でありジーノさんの妻でもあるモニカ・マイランダー・マカルーゾさんが出会い、意気投合したことだった。またジーノさんは親日家で、日本で自身のコレクションを展示しラリーの歴史を伝えたいという思いもあったことから、今回の展示イベントが実現したそうである。

ご存知の方も多いと思うが、この6台は昨年のラリー・ジャパンで先に展示され、富士での展示後は、4月11~13日に幕張メッセで開催されるオートモビルカウンシル2025でも展示されることになっている。なお3月15~16日には館外へ運び出され走行確認を行うそうなので、詳しくは公式ホームページをご覧頂きたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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