抜群のハンドリング性能を誇ったFF車 20選 中古でも楽める珠玉の前輪駆動モデル

公開 : 2025.11.02 11:45

ハンドリングといえば後輪駆動や四輪駆動が注目されがちですが、前輪駆動車(FF)にも優れたモデルが数多く存在します。ホンダ、プジョー、VWなど、抜群のハンドリング性能を備えたFFモデルを20台紹介します。

スポーツドライビングが楽しい欧州FFモデル

ハンドリングに優れたクルマと言えば、通常は後輪駆動や四輪駆動車が注目を浴びることが多いだろう。これはグリップ力とバランスに優れているからだ。だが、この2者ばかりがスポットライトを独占しているわけではない。

フロントにエンジンを搭載し、前輪のみを駆動するフロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式のクルマにも、運転の楽しさを追求した優れたモデルが多く存在する。今回は、その中でもトップクラスと言えるモデルを紹介したい。

ハンドリングには特にうるさいと言われる英国の記者が、20台を厳選する。
ハンドリングには特にうるさいと言われる英国の記者が、20台を厳選する。

(翻訳者注:各モデルの価格や装備は英国仕様に準じます。)

フォード・プーマ

1990年代、マツダはMX-3(日本名:ユーノス・プレッソ)を、ヴォグゾールはティグラを、フィアットバルケッタを欧州市場に繰り出していた。そして1997年、フォードはイアン・カラム氏がデザインした『プーマ』を発表する。1.4L、1.6L、1.7Lのバリエーションがあるが、人気が高かったのはヤマハ開発の1.7Lエンジン(最高出力125ps)で、車重1039kgという軽さを活かし、0-100km/h加速タイム9秒強の性能を誇った。

シャシーは4代目フィエスタをベースに、サスペンションを強化してローダウンとワイドトレッド化を実施。俊敏なハンドリングを実現した。1999年にはラリーのホモロゲーション規定対応のレアモデル『レーシング・プーマ』も登場した。ワイドフェンダー、改良型カムシャフトと排気系、強化サスペンション、そして約30psのパワーアップを果たしている。

フォード・プーマ
フォード・プーマ

ホンダ・インテグラ・タイプR

史上最高のハンドリングを誇る前輪駆動車と評された『インテグラ・タイプR』は、その後何年にもわたって続くタイプRシリーズのベンチマークとなった。大型リアウィングは揚力を30%低減し、フロントのエアロリップは高速域での安定性確保に貢献している。シャシーは、剛性を高めるためにサブフレームの補強と追加のスポット溶接が施され、15インチのアルミホイールはダブルウィッシュボーン式サスペンションのスムーズな動きを助け、フロントガラスも10%薄くなり軽量化につながっている。

ホンダ・インテグラ・タイプR
ホンダ・インテグラ・タイプR

ミニ・クーパー

ミニは、今日のBMW傘下のシリーズで大きな進歩を遂げているが、その名高いゴーカートのようなハンドリングと「ジャイアントキラー」としての名声を確立したのは、オリジナルの『クーパー』だ。従来のバネの代わりにラバーコーン・サスペンションが採用され、荒々しくゴツゴツした乗り心地となった。また、四輪すべてが四隅に押し出され、低重心と短いホイールトラベルにより、クーパーは鋭いコーナリングを実現した。1963年には、より強力な1.1Lエンジンと大型ディスクブレーキを搭載した『S』モデルが発売された。

ミニ・クーパー
ミニ・クーパー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事