スズキの良車たち!スイフトMTとフロンクスに乗って感心した話【新米編集長コラム#28】

公開 : 2025.04.20 12:05

クラス、価格以上の動的質感

そして、入れ替えで乗ることになったスイフトのMTである。結論から書けば、これは素晴らしい1台であった!

乗っていてクラス、価格以上の動的質感が伝わってきて、個人的に好きな欧州ベーシックハッチバックの名車たちの姿が頭をよぎって、嬉しくなってくる。

車重はわずか920kgなので、運転していてとにかく軽快で楽しいスイフト。
車重はわずか920kgなので、運転していてとにかく軽快で楽しいスイフト。    平井大介

全長3860mm、全幅1695mm、全高1500mmはもちろん使いやすいサイズだし、車重はわずか920kg! とにかく動きが身軽で、軽さは正義だなぁと感動が沸いてくる。

1.2L直列3気筒はマイルドハイブリッドとはいえ、エンジン自体は82ps/11kg-mしかないから、例えば今回、箱根の頂上に向かう登りではもう少しパワーが欲しいと思う場面もあった。しかし、非力なクルマをマニュアルシフトでコントロールする楽しさは、最近の新車では欧州車でもなかなか味わえないもの。近いものを探すと、トヨタヤリスマツダ2があり、国産車はマニュアルが充実しているなぁと再認識した。

また、箱根のワインディングで感じたのは、足まわりがよく粘って、よく曲がることだ。これをベースとしたスイフトスポーツの登場が楽しみになってきた。

そして期間中のトータル燃費は19.8km/L! カタログスペックは25.4km/L(WLTCモード)で、ワインディングに行かなければもっと伸びたはずである。そして車両価格は192万2800円と、200万円切り! これは内容を考えたらバーゲンプライスだと思う。

試乗直後のメモに『エンスー一家に一台』と書いたのは本当の話で、街中中心であればファーストカーとしてはもちろん、ガレージで趣味車と並べる足車としてもお勧めできる。大事なことなのでもう一度書くが、やはり軽さは正義で、実に楽しい取材期間となった。新型スズキスイフトもちゃんと、『ザ・良車』で安心した。

スズキ・フロンクス&スイフトのスペック

スズキ・フロンクス4WD
全長×全幅×全高:3995×1765×1550mm
ホイールベース:2520mm
トレッド:F1520mm R1535mm
車両重量:1130kg
エンジン:直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1460cc
ボア×ストローク:74.0×84.9mm
最高出力:73kW(99ps)/6000rpm
最大トルク:135Nm(13.8kg-m)/4400rpm
圧縮比:11.9
モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/800-1500rpm
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/100rpm
トランスミッション:6速AT
燃料タンク容量:37L
タイヤ:F&R195/60R16
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク
燃料消費量(WLTCモード):17.8km/L
価格:273万9000円

スズキ・スイフト・ハイブリッドMX(5MT)
全長×全幅×全高:3860×1695×1500mm
ホイールベース:2450mm
トレッド:F1480mm R1490mm
車両重量:920kg
エンジン:直列3気筒DOHC12バルブ
総排気量:1197cc
ボア×ストローク:74.0×92.8mm
最高出力:60kW(82ps)/5700rpm
最大トルク:108Nm(11kg-m)/4500rpm
圧縮比:13.0
モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1100rpm
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/100rpm
トランスミッション:5速MT
燃料タンク容量:37L
タイヤ:F&R185/55R16
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rリーディングトレーリング
燃料消費量(WLTCモード):25.4km/L
価格:192万2800円

インド生産のフロンクスだが、それを感じさせる部分は微塵もない。
インド生産のフロンクスだが、それを感じさせる部分は微塵もない。    平井大介

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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