【フォレスターなど好調】日米でストロングハイブリッドに追い風!トランプ関税不安もスバルは商品力に自信あり

公開 : 2025.05.15 17:05

スバルは2025年3月期の決算説明会を開催しました。国内市場ではフォレスター、アウトバックを中心に販売堅調。昨年12月導入のクロストレック・ストロングハイブリッドも好調です。桃田健史による分析&解説です。

国内市場は販売堅調

SUBARU(以下、スバル)は2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)決算説明会を行った。

生産台数は対前年2.4%減の94万6000台で、連結販売台数は対前年4.1%減の93万6000台。営業利益は対前年13.4%減の4053億円。国内市場ではフォレスター、アウトバックを中心に販売が堅調。さらに、昨年12月導入のクロストレック・ストロングハイブリッドも好調だ。

国内市場ではスバル・フォレスター(写真)、アウトバックを中心に販売が堅調。
国内市場ではスバル・フォレスター(写真)、アウトバックを中心に販売が堅調。    内藤敬仁

北米市場では、在庫期間を短縮するために、販売奨励金(インセンティブ)の負担が増えた。具体的には、昨年3月末時点でディーラーでの在庫期間が45日だったが、今年3月末には33日まで圧縮できた。スバルとしては、効率的な販売とインセンティブのバランスを上手く取れたという認識だ。

次に、2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の見通しは、生産台数と連結販売台数それぞれで90万台に想定した。

米国関税の不透明感が強いものの、商品ラインナップとしては日米でフォレスター・ストロングハイブリッドに対する期待が高い。特にスバルの主戦場であるアメリカでは需要が高まっており、そのため他ブランドではストロングハイブリッドに対するインセンティブを低く抑えている。スバルとしても高い収益を確保できるものと見込む。

そのため、米国工場のSIAに400億円を投資して、今年秋からストロングハイブリッドを含めてフォレスターの現地生産を強化することを明らかにした。

BEV市況を注視してフレキシブルに対応

現状でSIAの生産台数は、34~35万台でほぼ北米向け。生産能力としては40万台あるが、サプライヤーとの関係などを考慮すると実際には36〜37万台が適正だという。さらに拡張すれば、計算上は50万台も不可能ではない。

また、国内生産については、群馬県の矢島工場の2ラインのうち1ラインを約半年間停止する。これは、スバルが独自開発したBEV(電気自動車)の製造を行うためで、このラインは内燃機関車(ハイブリッド車含む)との混流となる。ここでの生産減をSIA、または本社工場などに振り分けることで、日米での需要への対応を検討する。

ニューヨーク・オートショーで公開されたBEV、改良型スバル・ソルテラ。
ニューヨーク・オートショーで公開されたBEV、改良型スバル・ソルテラ。    AUTOCAR

また、今後米国関税の影響が長引けば、日本からアメリカへの生産シフトが進むこともあり得るが、国内のサプライヤーとの関係もあり、今後慎重な対応が必要との見解を示した。

米国関税の影響については、仮にスバルが何も対応をしなかった場合、25億ドル(約3650億円)に達する。ここには、サプライヤー個社の関税影響は含まれない。こうした状況で、営業利益については現状で合理的な数字を提示することが難しいため、未定とした。

会見全体の印象として、米国関税に対する不安は大きいものの、日米でのストロングハイブリッドへの追い風による商品力に対するスバルの自信を感じた。

また、BEVの需要は現状流動的であり、環境規制や顧客の要望などを鑑みて柔軟に対応するとした。先に掲げた2030年にBEV50%はあくまでも目処であり、市場環境によって変化するという見解を示した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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