すべてがヴェイロンを凌駕 ブガッティ・シロン(1) 恐るべき1500psで420km/hのハード

公開 : 2025.06.03 19:05

本物のレザーとメタルで満ちるインテリア

車内は本物のレザーとメタルで満ちているが、恐るべき速さを達成するため、軽量化にも余念はない。シロンの最高速度は通常380km/hに制限されており、本来の420km/hへ高めるには特別なキーが必要。ボタン式なら、更に軽く仕上がりそうに思う。

内装は、251万8000ポンド(約4億9101万円)の英国価格に相応しい。ステッチは一糸乱れず、すべての部品が緻密に組まれている。運転席と助手席は、自動車で最長とうたわれる間接照明で仕切られる。後方へ光の帯は続き、後ろの視界も二分する。

ブガッティ・シロン(2016〜2024年/欧州仕様)
ブガッティ・シロン(2016〜2024年/欧州仕様)

空間自体は横方向に広く、電動で調整できるシートはサポート性が素晴らしい。ステアリングホイールの位置調整は手動。スタートボタンとドライブモード・セレクター、シフトパドルは、ソリッドなハードスイッチだ。サイドブレーキは電動で制御される。

縦に長いセンターコンソールはスリム。金属は美しく削り出され、サテン風の仕上げは超高級オーディオのデザインにも通じる。

運転席からの視界は想像以上に良く、人間工学はお手本通り。ボタンを押すと、16気筒へ想像するより穏やかな響きで、巨大なエンジンが始動した。

この続きは、ブガッティ・シロン(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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