一緒に荒野へ連れてって オフロード&ラグジュアリーなキャンピングトレーラー ブルーダーEXP-7(1)

公開 : 2025.07.08 19:05

オーストラリアのブルーダーが開発した、オフロード・キャンピングトレーラー 自分の時間を思いのままに過ごす贅沢 英国で実力を使い切ることは難しい 喧騒から離れられる魅力をUK編集部が体感

2台が繋がれば最強のオフロード・キャンパー

ブルーダーEXP-7をお借りする前に、資料で情報を確認する。寝具は備わらないようだが、洗濯機は搭載されているらしい。子どもの頃に乗ったキャンピングトレーラーは、蛇口で水を飲むのにも、足踏み式ポンプで水を汲み上げたのだけれど。

現代のキャンピングトレーラーは確実に進化しているが、EXP-7は最先端を行く。ブルーダー社は、アウトドア・ライフが傍にあった、2人のオーストラリア人兄弟が創業したメーカー。彼らが提供するキャンピングカーは、普通じゃないくらいタフだ。

ブルーダーEXP-7とベントレー・ベンテイガ(英国仕様)
ブルーダーEXP-7とベントレーベンテイガ(英国仕様)

一部の人からは、「ラグジュアリー・オフロード探検トレーラー」として一目置かれている。筆者も以前、ベントレーのクルー工場の近くで、EXP-7を目撃したことがある。同社のスタッフも、このトレーラーは本当に凄いと感じていたらしい。

両社に提携関係はない。とはいえ高級オフローダーとして、ベントレー・ベンテイガも完成度は極めて高い。2台が結ばれると、最強のオフロード・キャンパーが完成しそうに思える。

自分の時間を思いのままに過ごす贅沢

ラグジュアリーと聞くと、上品な5つ星ホテルやレストランを思い浮かべるだろう。しかし、それが唯一ではない。そんな階級的なものや人工的なものから離れ、スマートフォンの電波から逃れ、自分の時間を思いのままに過ごすのも贅沢といえる。

グレートブリテン島中西部のチェシャー地方で、誰にも会わず、家族から居場所を特定されずに過ごすことは簡単ではない。それでもEXP-7なら、道のない奥地へ進んでいくことはできる。せっかくお借りするのだから、できる限りの場所を目指してみよう。

ブルーダーEXP-7とベントレー・ベンテイガ(英国仕様)
ブルーダーEXP-7とベントレー・ベンテイガ(英国仕様)

ブルーダーは、現在5種類のトレーラーを展開している。もし創造性と資金力が豊かなら、特注のデザインも依頼できる。実用性重視のトレーラーを作ってもらうことも。

英国での価格は、EXP-7で約19万ポンド(約3705万円)から。為替レートにもよるが、安いわけではない。軍隊や王室、移動実験室の運用事業者などが、同社の顧客として名を連ねているそうだ。

実力を使い切ることは難しいEXP-7

裕福なオフローダー好きも、ユーザーとして少なくない。ボディ本体の全長は5760mmで、牽引用アームも含めると約7mあり、車重は2700kgとのこと。ベンテイガより数100kg重いが、サイズとしては一般的な範囲に収まり、充分に牽引できる。

ちなみに、ブルーダーで最長のトレーラーはEXP-10。全長は約7.4mあるという。

ブルーダーEXP-7とベントレー・ベンテイガ(英国仕様)
ブルーダーEXP-7とベントレー・ベンテイガ(英国仕様)

EXP-7を目の当たりにすると、実力を使い切ることは難しいことへ気付く。フラットなボディパネルは、装甲車のよう。オフロードタイヤが収まるホイールアーチの奥には、密閉型のボックスセクション構造が、溶接されているのが見える。

サスペンションは、トレーリングアームによる独立懸架式。ストロークは約300mmあり、エアスプリングが支え、ダンパーは各2本。トレーラー自体の5倍の負荷へ、耐えることができるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ブルーダーEXP-7の前後関係

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