レクサス新型スーパーカー初公開! V8サウンド轟かせる2台の試作車 来年発売か

公開 : 2025.07.10 20:55

トヨタは英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、2台のプロトタイプを披露しました。GR GT3とそのホモロゲーションモデルと思われ、後者はレクサスから販売される可能性があります。

GT3レーサーとホモロゲーションモデルか

トヨタは、7月10日に英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、新型スーパーカーのプロトタイプを初公開した。

2022年にコンセプトモデルとして発表された、トヨタGR GT3レーシングカーのホモロゲーションモデルで、今回のグッドウッドでは2台揃ってヒルクライムレースに挑戦した。

グッドウッドで走りを披露する2台のプロトタイプ(手前がロードカー、奥がレースカーと思われる)
グッドウッドで走りを披露する2台のプロトタイプ(手前がロードカー、奥がレースカーと思われる)    AUTOCAR

まだ詳細は明らかにされていないが、GT3 GRのロードカー(公道)仕様は、LFA、LC 500、RC Fなどの大排気量スポーツカーを手掛けてたプレミアムブランドの歴史を鑑み、トヨタではなくレクサスから販売される可能性が高い。

そのため、LFAの精神的後継車に位置づけられ、『LFR』という名称が採用されるかもしれない。アストン マーティンヴァンテージメルセデスAMG GTなどのライバルとなるだろう。

FIAのホモロゲーション規定により、GT3レーサーと基本ボディデザインを共有するロードカーの販売が義務付けられているため、2026年末頃にショールームに登場する見込みだ。アストン マーティン、BMWフェラーリフォードランボルギーニ、レクサス、マクラーレンメルセデスAMGポルシェは現在、GT3のカスタマーレーサーを販売している。

トヨタは以前、GRヤリスのように、「市販車をモータースポーツ用に改造するだけでなく、モータースポーツカーの商品化」を今後も継続すると述べていた。

唸るV8エンジン 片方はハイブリッド?

グッドウッドの坂道を駆け上がるGR GT3(巨大なリアウィング装備)のサウンドは、紛れもなくV8エンジンそのものだ。しかし、並走するロードカー仕様は少し静かで、おそらくは排出ガス規制に対応するためにハイブリッド・システムが搭載されていると思われる。

現在、GRモデルにはハイブリッドが採用されていないが、本格的なテストは行われている。昨年、このプロジェクトに携わるGRエンジニアの山田寛之氏はAUTOCARの取材で、「今後のモデルにはハイブリッドを採用する可能性があります。排出ガス規制のため、将来はモータースポーツ活動でも使用するつもりです」と語っていた。

V8らしいエンジンサウンドを響かせながら、グッドウッドのヒルクライムに挑んだ。
V8らしいエンジンサウンドを響かせながら、グッドウッドのヒルクライムに挑んだ。    AUTOCAR

トヨタは以前から、GRモデルへのハイブリッドの搭載を検討してきた。2023年、最高技術責任者(CTO)の中島裕樹氏はAUTOCARに対して、「ハイブリッド・システムは、乗用車だけでなく、スポーツカーにとっても優れた環境対応ソリューションです」と語っている。

ロードカーの仕様はまだ発表されていないが、レーシングカーはGT3規定に基づき、最高出力は約500~600ps、重量は1300kg以下となる。ロードカーでは、これにハイブリッド・システムを追加することで、出力は700ps近くに達すると予想されている。

レクサスは欧州市場向けのRCとLCの生産を終了し、後継車の計画に関しては公式にはコメントしていない。しかし、2021年にはコンセプトカー『エレクトリファイド・スポーツ』を発表するなど、高性能モデルへのコミットメントを示している。

エレクトリファイド・スポーツは、2020年代末までに量産化が予定されており、V8エンジンではなく電気モーターを搭載するEVとなる。しかし、トヨタのGR GT3と同じカーボンファイバー製モノコック構造を採用し、キャビンが後方寄りに配置されたシルエットも同様であることが確認されている。このことから、レクサスは今後5年以内に、同じシャシーをベースに、まったく異なるパワートレインを搭載した2種類のスーパーカーを発売する可能性がある。

記事に関わった人々

  • ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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