【都心戦略加速の狙い】マツダR&Dセンター東京開設&東京本社移転!絶景の場所で見据える未来とは?

公開 : 2025.07.11 12:05

マツダは7月9日、東京都心の麻布台ヒルズでの『マツダR&Dセンター東京』開設と東京本社の移転を正式に発表。これに伴い、同施設で報道陣向け説明会が開催され、桃田健史が参加しました。

東京タワーの先端とほぼ同じ高さ

マツダは7月9日、東京都心の麻布台ヒルズでの『マツダR&Dセンター東京』(略称MRT)開設と東京本社の移転を正式に発表した。これに伴い、同施設で報道陣向け説明会を開催し、筆者も参加した。

地下鉄日比谷線の神谷町駅から商業施設内部を抜けて歩くこと約6分。麻布台ヒルズ森JPタワーに到着。そこからエレベーターを乗り継いで49階まで上がった。

麻布台ヒルズに『マツダR&Dセンター東京』を開設、同時に東京本社の移転を正式に発表。
麻布台ヒルズに『マツダR&Dセンター東京』を開設、同時に東京本社の移転を正式に発表。    マツダ

MRTと東京本社を合わせた敷地面積は941坪にも及び、今回会見が行われた共有スペースから外を見ると、目の前に見える東京タワーの先端とほぼ同じ高さであることがわかる。東京都心が一望できる絶景だ。

東京本社はこれまで霞が関にあった関係部署がこちらに移転したが、マツダとして研究開発拠点を東京都心で構えるのは初めてだ。ただし、マツダはここからほど近い六本木ヒルズに2024年、『イノベーションスペース東京』を開設している。

これら2ヵ所の役割分担について、マツダのコミュニケーション・広報・渉外・サスティナビリティ・東京首都圏担当の執行役員である滝村典之氏は「イノベーションスペース東京は、多様な分野の人たちと交わることで、偶発的な化学反応を目指すもの。一方、MRTは(人材採用を含めて)最新技術開発をする先端拠点」と説明する。

マツダの研究開発は広島本社が主体であり、神奈川県横浜市神奈川区にある『マツダR&D横浜』(通称MRY)がサポートする形を長年維持してきた。

『マツダらしさ』をどう進化させるか?

MRT設立の狙いは、やはり人材獲得だ。

会見では、首都圏での就業人口に関するグラフを示し、その数は約2210万人で日本全体に占める割合は31%とした。特に、IT系やゲーム分野などの人材は首都圏が高い。

東京タワーの先端とほぼ同じ高さにある、まさに絶景が見られる施設となる。
東京タワーの先端とほぼ同じ高さにある、まさに絶景が見られる施設となる。    桃田健史

その上で、直近ではSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)や生成AI(人工知能)へ早期対応が自動車メーカーにとって必須だ。

こうした状況で、自動車メーカー各社は都心にソフトウェアやIT関連の研究開発拠点を新設する動きが加速している。マツダとしても、そうした人材獲得競争に遅れをとることができない情勢だと言える。

MRTでの具体的な業務内容について、マツダの総合制御システム開発担当・執行役員の今田道宏氏は「コネクテッドソフトウェア開発グループと先進安全技術開発グループ、大きくふたつがある」ことを明らかにした。

例えば、先進安全技術開発グループでは、データを優先するデータドリブン開発と、生成AI等を活用するシミュレーション環境開発を強化する。

また、今回キャリア入社でMRTに配属された社員2名(君嶋良太氏、高井野亜氏)が自身のバックグランドとマツダ入社の動機等を語った(高井氏の高ははしごだか)。

会見に参加し、その後に関係者と意見交換した感想としては、次世代技術開発におけるマツダとして差別化要因の在り方だ。

古き良き内燃機関車の時代と比べ、クルマの差別化は今後益々厳しくなることは間違いない。だからこそ、次世代技術をマツダのブランド価値としてユーザーへ訴求することが重要となる。

MRT新設による、マツダ全体としての変化を期待した。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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