シトロエンを120台所有する男 マニア必見のコレクション(前編) 巨大な個人博物館
公開 : 2025.07.26 18:25
アミ8(1973年)
アミ6の後継となるアミ8は、実用的で使い勝手に優れているが、シルエットがあまり個性的ではないため、それほど人気は高くない。大量生産、大量消費されたクルマの好例と言えるだろう。この個体は走行距離1412kmで、郵便局員が退職後に新車で購入したものの、数か月しか使用しなかった。オーナーは運転するには年を取りすぎたとして、30年間駐車したままにしていた。

M35(1970年)
M35は、シトロエンのエンジニアリングの素晴らしさを体現したモデルだ。アミ8のフレームを流用し、最高出力60psのシングルローター・ヴァンケルエンジンと、DSにも採用されていた油圧式サスペンションの独自バージョンを搭載した。アミ8と共通するデザイン要素はごくわずかであり、ほぼファストバックのようなルーフラインを持つクーペスタイルであった。
シトロエンは、M35を500台のみ生産し、それを顧客に試乗してもらい、実際の走行条件での使用感に関するフィードバックを得る計画だった。そして、その知見を量産モデルの開発に活かす狙いがあった。しかし、M35は非常に高価で(エントリーレベルのDスーパーと同等の価格)、1969年から1971年にかけて267台しか生産されていない。

この3万1000km走行の個体は、フランス南西部で新車販売された後、アルプス地方に渡った。あるディーラーが元のオーナーからこの個体を買い取ったものの、後に破産し、借金のカタとして譲渡してしまった。新しいオーナーは、一度も運転することなく売却。現在、このM35は走行可能な状態で保管されている。フラデ氏のコレクションには、これとは別にもう1台M35がある。
アミ・スーパー(1973年)
スーパーは、アミの中で最もパワフルで高価なバージョンであり、現在では最も希少なモデルでもある。シトロエンは、アミ8などの2CVベースのモデルと、より大型のGSの間のギャップを埋めるために、1973年にアミ・スーパーを発売した。設計手法はいたってシンプル。アミのボディに、GSから流用した1.0L水平対向4気筒エンジンを搭載し、最高速度138km/hを実現した。
フラデ氏のコレクションにある数台のスーパーのうち、この青い個体は新車当時に2CVからのアップグレードを期待した男性が購入したものだ。しかし、彼はこのクルマの運転にまったく慣れることができず、特にシフトパターンに戸惑ったそうだ。2CVではリバースギアのある位置に、1速ギアが配置されているのだ。1980年に中古の2CVに買い替えるまでの間に、彼はわずか2000kmしか走行しなかった。







































