個性的すぎる超レアなクルマたち マン島自動車博物館の展示車両 40選(前編)

公開 : 2025.05.05 18:25

マン島自動車博物館には、マニアックなコレクター父子が収集した数百台の乗用車、商用車、バイクが展示されています。世界に数台しかないモデルや、初代トヨタ・センチュリーのロングボディといった希少車を取り上げます。

マニアックな希少車の宝庫

英国イングランドとアイルランドの間に位置するマン島。世界最古の公道バイクレースで知られるこの島の最北端、ジャービーには、これまで見たことのないような素晴らしい自動車の宝庫がある。

マン島自動車博物館(Man Motor Museum)には、聞いたこともない、あるいはオンラインや書籍でしかお目にかかれないようなクルマが500台以上も展示されている。約200台の乗用車、商用車、何百台ものオートバイ、さらには宇宙カプセルまであるのだ。

マン島自動車博物館の興味深い展示車両を紹介する。
マン島自動車博物館の興味深い展示車両を紹介する。

今回は同博物館に展示されている興味深いクルマをほんの一部だけ紹介しよう。

01:創設者

マン島自動車博物館のコレクションは、ダレン・カニンガム氏とその父デニス氏による30年にわたる収集の成果である。博物館は2015年に開館し、ダレン氏は「他では見られないようなクルマをコレクションに加え、それをすべての人に紹介したいと思っています。そのため、非常に幅広い車種を揃える必要があります」と語っている。

ここで掲載する写真からもわかるように、その目標は達成されたと言っても過言ではないだろう。

博物館設立者のダレン・カニンガム氏とその父デニス氏
博物館設立者のダレン・カニンガム氏とその父デニス氏

02:ピールP50

P50は、あるテレビ番組のおふざけにより、かつてないほど注目を集めている。マン島で生産された全長1370mmの1人乗り自動車で、量産車としては史上最小のロードカーである。この博物館にはまるで当然のように、写真のオリジナルモデル、分解モデル、2011年のレプリカの計3台が展示されている。

02:ピールP50
02:ピールP50

03:ロータス・カールトン

最高出力300psのハッチバックが一般的な存在になり、600psのセダンも珍しくなくなった現在、1990年に登場したロータス・カールトンが当時どれほど波紋を呼んだか想像するのは難しいだろう。最高出力377psのツインターボ直列6気筒エンジンは最高速度285km/hを誇り、一部のメディアから反感を買った。もっとも、彼らはフェラーリには文句を言わなかったようだが……。

03:ロータス・カールトン
03:ロータス・カールトン

04:シトロエンDS

シトロエンDSおよびIDは、1955年から1975年までの20年間にわたり約150万台が生産されたが、そのうちコンバーチブル(いわゆるデカポタブル)はわずか1365台だった。写真の車両は1962年製のDS19で、シャプロン社が独自に生産したものだが、シトロエンのディーラーネットワークを通じてメーカー保証付きで販売された。

04:シトロエンDS
04:シトロエンDS

05:サンビーム・タルボット90

英国で戦後初めて開催されたモーターショーは、1948年のアールズコート・モーターショーだった。この車両も、そのモーターショーに出展されたクルマの1つだ。サンビーム・タルボット90は高級ファミリーカーで、このカットモデルはその魅力を披露するために製作されたもの。スタンドで支えられ、ショー用の電源を入れると、エンジン、ドライブトレイン、ホイールがすべて回転するというギミック付きだった。

05:サンビーム・タルボット90
05:サンビーム・タルボット90

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事

        ×