アリゾナの太陽に灼かれる日米欧の廃車 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.07.20 18:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、砂漠気候のアリゾナ州で見つけたクラシックな日本車・欧州車・アメ車を紹介します。保存状態の良いものも多くありました。

乾燥した大地で廃車巡り

米国アリゾナ州のジャンクヤード『デザート・バレー・オートパーツ(Desert Valley Auto Parts)』は、州内にいくつかの施設を保有している。そのうち、カサグランデには2つのヤードがあるのだが、そのことは訪問者にはあまり知られていない。

メインのヤードには、米国製のヴィンテージカーがずらりと揃っている(これについては別の機会に改めてご紹介する)が、未舗装の道路を800mほど進むと、もう1つ、非常に興味深いヤードがある。ここには古い欧州車や日本車が多数保管されており、米国車もいくつか混じっている。

アリゾナ州のジャンクヤードで見つけた日米欧
アリゾナ州のジャンクヤードで見つけた日米欧

わたし達取材班は2022年にこの隠れたヤードを見学する許可を得て、大変楽しい時間を過ごした。今回は、そこで見つけた車両のほんの一部をご紹介したい。

ユーゴ – 1988年

ユーゴは欧州でも珍しい存在だが、米国ではさらに希少だ。旧ユーゴスラビアのザスタバ・モーターズによって製造され、1985年から1992年にかけて、なんと14万台が米国で販売された。

しかし、信頼性はひどく、1990年代末までにその大半はスクラップとなった。

ユーゴ - 1988年
ユーゴ – 1988年

デソート・カスタム – 1949年

1940年代、デソートは腐らないボディを採用していると主張していたが、それが嘘ではなかったことは明らかだ。この4ドアのカスタムは73年前の製造だが、今でも驚くほど状態がしっかりしている。とはいえ、この地域の気候も影響しているのだろう。

アリゾナ州カサグランデの年間降雨量は234ミリで、全米平均の767ミリに比べ非常に少ない。

デソート・カスタム - 1949年
デソート・カスタム – 1949年

トライアンフTR7 – 1975年

TR7のウェッジシェイプ(くさび型)デザインは、確かに万人受けするものではなかった。残念ながら、親会社であるブリティッシュ・レイランドが望んだほどの成功も収められなかった。1975年から1981年の間に約11万5000台が製造され、最大の市場は米国だった。

写真の部品取り車は英国製だが、英国で販売が始まる1年前の1975年に製造された。

トライアンフTR7 - 1975年
トライアンフTR7 – 1975年

フィアットX1/9 – 1975年

トライアンフTR7と似たスタイルの、イタリア製のミドシップエンジン搭載車、フィアットX1/9。主に輸出を想定して設計され、実際、1972年から1989年までに製造された16万台のうち、約3分の2が米国に輸出されている。

この車両は、米国での販売開始2年目の1975年に製造されたもの。同ヤードでの価格はわずか950ドル(約14万円)だった。

フィアットX1/9 - 1975年
フィアットX1/9 – 1975年

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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