アウディ 5気筒エンジン搭載『RS3』最終モデル開発中 排出ガス規制で生産終了へ

公開 : 2025.09.02 18:45

アウディの高性能ハッチバック『RS3』は、直列5気筒エンジンとともにまもなく生産を終了する予定です。その最後を記念する特別仕様車の開発が進められており、サーキット走行に特化した仕様が確認されています。

最後を飾る特別仕様車、ニュルで準備中

アウディは、現行のホットハッチ『RS3』の象徴的な直列5気筒エンジンを記念する特別仕様車を開発中だ。このエンジンは、迫り来る欧州排出ガス規制の影響で生産終了の危機に直面している。

新しい特別仕様車は来年初頭に発売される見込みで、最近、ドイツのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでテスト走行が確認された。

アウディRS3の直列5気筒エンジン
アウディRS3の直列5気筒エンジン

そのテスト車両は、従来よりもアグレッシブなフロントスプリッター、新設計のカナード、大型のリアスポイラーを備えており、サーキットでの走行性能を追求していることがわかる。

ブレーキキャリパーも新設計のようで、標準のブラックではなくブルーに塗装されている。これは制動力の強化と、特別なカラーリングやリバリーの可能性を示唆している。

おそらく性能も大幅に強化され、現行RS3パフォーマンス・エディションの最高出力406ps、最大トルク51.0kg-mを上回ると予想される。

アウディ・スポーツの元マネージングディレクターであるセバスチャン・グラムス氏は2023年、AUTOCARの取材に対し「5気筒エンジンはまだ発展の余地がある」と語っていた。

オランダのスポーツカーメーカー、ドンカーブートは以前、F22向けに2.5L 5気筒ターボエンジンを500psまで強化した実績を持つ。

アウディがそこまで追求するかどうかは不明だが、出力の大幅な向上により、メルセデスAMG A 45 Sの421psを上回る可能性もある。

この特別仕様車を最後に、現行世代のRS3と5気筒エンジンは幕引きとなるだろう。

5気筒エンジンは2011年の登場以来、RS3の最大の特徴であったが、アウディは現行型とともにこのパワートレインの生産を終了する方針だ。

ただし、再設計や電動化といった方法で排出ガス規制に対応する可能性はまだ残されている。

記事に関わった人々

  • チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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