Gクラスに対抗 BMWが新型「オフロード車」開発中 7人乗り高級SUV、2029年生産開始
公開 : 2025.08.18 06:45
BMWは約90年ぶりとなる本格的なオフロード車の開発を進めています。最上級の7人乗りSUVとして『X8』を名乗る可能性があります。内燃機関を搭載予定ですが、レンジエクステンダーEVとする計画も。
本格的な悪路走行を想定
BMWは、メルセデス・ベンツGクラスやランドローバー・ディフェンダーと競合する新型のオフロード車の開発を進めている。
2029年から米国スパルタンバーグ工場で生産される見込みで、本格的なオフロード走行を想定したモデルとしては1937年以来となる。

この新型車はコードネーム『G74』と呼ばれ、従来のX5やX7とは異なり、高級オフロード車市場への参入を目的として考案された。
BMWのある幹部はAUTOCARに対して、Gクラスに対抗する新型車の開発が順調に進んでいるとし、「このような車両の市場ポテンシャルは認識しています。単なる議論にはとどまらず、当社はこの計画をしばらく前から進めてきました。このモデルには、間違いなく内燃機関が必要となります」と語った。
G74のデザインに関する情報はまだ明らかになっていないが、同社の新しい『ノイエクラッセ』シリーズの特徴と、オフロード車らしい頑丈なデザイン要素を融合したものになると予想されている。
従来のモデルよりも、高い最低地上高、長いサスペンションストローク、優れたアプローチアングルを実現するだろう。
高級感あるキャビンに、3列7人乗りのシートレイアウトを採用するという情報もある。
レンジエクステンダー化の可能性も
このモデルは、BMWが展開しているすべてのグローバル市場で販売され、『X8』の名称が採用される可能性もある。
まだ不明な点が多いものの、BMWのCLARプラットフォームの改良版が採用される見通しだ。これにより、他の大型SUVモデルとのスケールメリットを享受しながら、本格的なオフロード走行に向けたシャシー設定を実現するだろう。

シャシーはX5およびX7の要素を流用しつつ、ロングストロークのエアサスペンション、最大3基のロックディファレンシャル、先進的な四輪駆動システム、四輪ステアリング機構の採用が期待される。
BMWは当初から内燃機関の搭載を想定しているが、EVの可能性も否定していない。中国のヤンワンU8や、米国のリビアンR1Sのような新世代の電動オフロード車と競合することになるかもしれない。
BMWの幹部は、「レンジエクステンダー・ドライブトレインの導入を検討中」だと明かした。内燃機関を発電機として使用し、電気モーターに電力を供給するハイブリッドシステムで、すでにX5、X6、X7への採用が計画中だ。
レンジエクステンダーの開発においては、ZF社と協業している。
G74向けにレンジエクステンダーの導入を検討する背景には、GクラスのEVモデルの初期販売が振るわなかったこと、そして世界最大の市場である中国でレンジエクステンダーモデルへの需要が急増していることなどがある。
BMWにとって最後のオフロード車は、1937年から1940年にドイツ軍向けに生産された『325』だ。ラダーフレームのシャシーと四輪駆動を採用し、ドライサンプ式の2.0L直列6気筒ガソリンエンジン(最高出力50ps)と5速トランスミッション、3基のロックディファレンシャル、初期型には四輪ステアリングを搭載していた。
325の生産台数は3225台に留まったが、BMWの技術的マイルストーンとして知られている。







































