明日の評価は違うかも アルトゥーラ/ヴァンテージ/ローマ(2) 敏腕ロードスター3台比較

公開 : 2025.08.29 19:10

怯むほど高い限界領域 順位を付けるなら?

アルトゥーラの低いシートへ腰を下ろすと、最高峰のドライバーズカーの中にいると実感する。完璧なドライビングポジションに、パノラミックな視界。居心地も良い。

マクラーレン史上、最も表現力の豊かな公道モデルといえるが、限界領域は怯むほど高い。一般道での喜びは、意のままの操縦性以上に、濃い感触と高い精度が中心になる。ステアリングホイールの重さや反応、シート越しに伝わる挙動を味わいながら。

左からフェラーリ・ローマ・スパイダーと、マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダー、アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター
左からフェラーリローマスパイダーと、マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダー、アストン マーティンヴァンテージロードスター    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

グリップ力は凄まじく、慣性は極めて小さい。アンダーステアにもオーバーステアにもなりにくく、両腕を動かせば自然な旋回が始まる。充足感で頬が緩むが、サーキットでなければ真髄に到達できない、もどかしさもよぎる。

3台に順位を付けるなら、高揚感と高級感を兼ね備え、実用的でもあるローマが僅差でトップへ立つ。しかし別の日に問われたら、別の結果を出しているかもしれない。

ヴァンテージは乗り心地が硬くても、極めてカリスマティック。アルトゥーラも、まったく別の個性でドライバーを誘惑する。筆者に充分な資金があるなら、3台の商談を同時に進めるかもしれない。沢山の日焼け止めを用意して。

アルトゥーラ/ヴァンテージ/ローマ 3台のスペック

マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダー(英国仕様)

英国価格:22万1500ポンド(約4386万円)
全長:4539mm
全幅:1913mm
全高:1193mm
最高速度:329km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃費:20.9km/L
CO2排出量:108g/km
車両重量:1560kg
パワートレイン:V型6気筒2993cc ツインターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:7.4kWh
最高出力:700ps(システム総合)
最大トルク:73.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(後輪駆動)

アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター(英国仕様)

英国価格:18万500ポンド(約3574万円)
全長:4495mm
全幅:1980mm
全高:1275mm
最高速度:325km/h
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:8.1km/L
CO2排出量:279g/km
車両重量:1805kg
パワートレイン:V型8気筒3892cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:665ps/6000rpm
最大トルク:81.4kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)

フェラーリ・ローマ・スパイダー(英国仕様)

フェラーリ・ローマ・スパイダー(英国仕様)
フェラーリ・ローマ・スパイダー(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

英国価格:21万883ポンド(約4175万円)
全長:4656mm
全幅:1974mm
全高:1306mm
最高速度:320km/h
0-97km/h加速:3.4秒
燃費:8.8km/L
CO2排出量:258g/km
乾燥重量:1556kg
パワートレイン:V型8気筒3855cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:620ps/5750-7500rpm
最大トルク:77.4kg-m/3000-5750rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アルトゥーラ/ヴァンテージ/ローマの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事