R&D担当者に聞く日本仕様の作り方!(後編)【ヒョンデ・コナ長期レポート#18】

公開 : 2025.09.02 11:45

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中です。今回は、日本仕様を決めている『ヒョンデ・モビリティ・ジャパンR&Dセンター』担当者へインタビュー。コナだけでなく、全車に共通するポイントなどを聞きました。その後編です。

ナビゲーションは地道な作業

編集部ではヒョンデコナを長期レポート中。今回は日本仕様を決めている『ヒョンデ・モビリティ・ジャパンR&Dセンター』(以下HMJ R&D)へのインタビューレポート後編だ。

インタビューにご協力頂いたのは商品企画と認証を担当する百瀬友昭さん、コネクティビティを担当する中村浩さん、そして『ヒョンデ・モビリティ・ジャパン』(以下HMJ)でMI/商品チームに所属する佐藤健さんである。

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中。アイオニック5と合わせて1年以上レポートしてきた。
編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中。アイオニック5と合わせて1年以上レポートしてきた。    平井大介

さて中村さんは、インフォテイメントとコネクティビティ領域を担当。具体的にはナビゲーション、ブルーリンクアプリ、OTA(オーバー・ジ・エアー)といったECU関係、デジタルキー、日本語の音声認識&案内など、日本向けの開発、検証だ。

中村さんに聞いたところ、やはりナビゲーションは苦労が多い様子。

「日本のお客様はいろいろなメーカーのナビを使い慣れていらっしゃるので、違和感ないような作り込みをしなければなりません」

不具合があるとその度に現場で確認したうえで、レポートを韓国の開発チームに送っているという。そして修正されると実際に走行して検証……と繰り返している。「地道な作業なんです」と中村さんは苦笑する。

ユーザー車のアップグレードはOTAで行われ、定期的ではないが、年に1回程度が目安となる。他にも大きなものがあれば随時という形だ。編集部のコナでも先日アップデートがあったのは以前レポートしたとおり。

一方、佐藤さんはヒョンデがディーラーを介せずにインポーターから直接販売しているメリットをこう語っている。

「カスタマーセンターが窓口となり、お客様の声を直接お聞きしています。それを毎週ミーティングで我々(HMJとHMJ R&D)も共有しているんです。(HMJ R&Dの)インフォテイメント担当チームが地道に現場を訪れ、この3年間でも相当改善されました。35年間この業界で仕事をしていますが、(ディーラーを介するインポーターでは)こんなことは今までありませんでした」

単語の選択、文章の書き方、改行位置に至るまで

ちなみに日本語については、こんな話もあった。中村さんが語る。

「表示される日本語について単語の選択、文章の書き方、改行位置に至るまで、細部までこだわっています。日本語化には専門の担当者がおり、新しい機能が追加されるたびに、既存の単語と統一感を保ちながら言葉選びを行っています」

商品企画と認証を担当する百瀬友昭さん(右)、コネクティビティを担当する中村浩さん(左)。
商品企画と認証を担当する百瀬友昭さん(右)、コネクティビティを担当する中村浩さん(左)。    平井大介

「改行ですか!」と思わず聞き返してしまった。そう言えばコナに乗っていて、日本語の表示で違和感を覚えたことはない。

そして既存という部分では、ヒョンデ内で他車種へ乗り換えた時に違和感がないことが重要で、一度決めたらかなりの期間使用するため、最初の担当者は責任重大というわけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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