メルセデス・ベンツのベストセラー車に新型登場 2026年発売『GLC』のデザインや性能は? 

公開 : 2025.08.08 07:45

メルセデス・ベンツは来年初頭に新型『GLC』のEVモデルを発売予定です。現行型の内燃機関搭載車とともに販売される予定で、新しいデザインや高効率のパワートレインを特徴とします。航続距離は最大700kmとのこと。

EQCから改名 人気モデルのEV版

メルセデス・ベンツは来年、新型電動SUV『GLC』を発売する予定だ。欧州市場で最も競争の激しいセグメントでの足場を固める上で、重要なモデルとなる。

従来のEQCの後継車で、主要ライバルの新型BMW iX3とほぼ同時期に販売が開始される。メルセデス・ベンツの電動化における次のステップであると同時に、新時代のデザインを特徴とする。

新型GLCの予告画像。新しいフロントグリルのデザインが確認できる。
新型GLCの予告画像。新しいフロントグリルのデザインが確認できる。    メルセデス・ベンツ

GLCは2015年の発売以来、同社のベストセラーモデルとなっており、新型のEVモデルは、2022年に発売された現行の2代目GLC(内燃機関搭載車)と並行して販売される予定だ。従来のEQCという名称は廃止され、パワートレインを問わずGLCに統一される。

新型GLC EVは、新開発のメルセデス・ベンツ・エレクトリック・アーキテクチャ(MB.EA)を量産車として初めて採用する。800V電気アーキテクチャーに対応し、MMAベースのCLA with EQテクノロジーの320kWを超える最大充電速度が期待されている。

メルセデス・ベンツの関係者はAUTOCARに対して、GLC EVは94.5kWhのバッテリーを搭載し、仕様によっては最大700kmの航続距離を実現すると語っている。

SUVとしてはかなりの航続距離であり、現在このクラスをリードするプジョーe-3008に匹敵するが、800kmを実現すると言われている新型BMW iX3には及ばない。

パワートレインとしては、大きく分けてシングルモーター仕様とデュアルモーター仕様の2種類が用意され、後者では最大490psの出力を発揮する。

高性能のAMGモデルも2027年に発売予定で、最高出力は600psに達する見込みだ。

新時代のデザインで「個性」演出

デザイン面では、メルセデス・ベンツの新しいデザイン言語を導入する。その特徴の1つがフロントデザインだ。最近公開された画像(前項の画像)では、クラシカルなデザインと大胆なイルミネーション要素を組み合わせた、新しいグリルパネルが確認できる。

このパネルには、942個のドットとクロームメッキの装飾が施されている。内部には100個以上のLEDが配置され、さまざまな点灯パターンに対応できるという。中央のスターロゴも点灯するが、この部分に関しては販売地域ごとの規制により仕様が異なる。

新型GLCのプロトタイプ。カモフラージュに覆われているが、全体のシルエットはわかる。
新型GLCのプロトタイプ。カモフラージュに覆われているが、全体のシルエットはわかる。

メルセデス・ベンツのCEOであるオラ・ケレニウス氏は、この新しいデザインによって、「100社を超える中国企業」を含む多数の企業と競合する現代において、自社のアイデンティティを維持し、「メルセデスの象徴、唯一無二のメルセデスらしさ」を未来へ継承できると述べている。

新型のCLAと同様、GLCも先進的な外観となるだろう。コンセプトカー『ビジョンEQXX』を参考に、空力性能とエネルギー消費効率(電費)を特に重視している。

デザイン責任者のゴードン・ワグナー氏によると、「似たり寄ったり」のEVが多い中で、「強いアイデンティティ」を与えることがデザインの目的だという。

GLCのインテリアデザインはまだわかっていないことが多いが、CLAからヒントを得ることができそうだ。CLAのダッシュボードには最新型の『スーパースクリーン』を採用し、3枚のデジタルディスプレイ(ドライバー用10.25インチ、中央に14.6インチ、助手席用14インチ)を備えている。

ライバルのiX3と同様、GLCも多くの物理スイッチを廃止し、人工知能(AI)を利用した音声コントロールを採用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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