知る人ぞ知るルノーの名車・珍車 22選 博物館コレクションから

公開 : 2025.09.06 18:25

ルノーが2027年に開設予定の新しい博物館から、マニアックで見過ごされがちなクルマを22台紹介します。先進的なスポーツカー、地味な低価格車、F1用エンジンを積んだミニバンなど、同社の豊かな歴史を振り返ります。

低価格車からF1ミニバンまで

ルノーの歴史は豊かで、予測できない展開も多い。同社は1899年に設立され、エンジニアリング、レース、そしてラグジュアリーといった各分野で傑出した存在となった。

多角的な事業を展開し、ファミリーカー、トラック、バスにとどまらず、排気量9.1Lの40CVでモンテカルロ・ラリーを制覇したり、航空エンジンを製造したりもした。

2027年に開設予定の新しい博物館から、特にマニアックなクルマを紹介する。
2027年に開設予定の新しい博物館から、特にマニアックなクルマを紹介する。

戦間期、ルノーのモデルラインナップは保守的で、シトロエンがフランス最大の自動車メーカーに躍進したが、やがてシトロエンの経営が破綻してからもルノーは堅調だった。

第二次世界大戦が終結すると、ルノーは自動車産業に本腰を入れ、CEOの暗殺を含む80年の波乱を乗り越え、現在も繁栄を続けている。

これを記念して、ルノーは2027年にフラン工場内に博物館を開設する予定だ。この工場ではこれまで1800万台が生産されてきた。今回は、800点を超えるコレクションの一部を紹介する。

1910年 タイプAG

タイプAGはタクシーとして設計された最初期のモデルの1つである。ロンドン、ニューヨーク、そしてもちろんパリでもタクシーの代名詞となった。馬車に代わる移動手段であり、ドライバーにとっての大きな魅力の1つが、交換可能な燃料タンクだ。同僚と燃料の共有で揉めることなく運行できた。

第一次世界大戦中の1914年、パリ防衛のためのマルヌ会戦に4000人の兵士を輸送する任務に、パリ中のタクシーが動員された。いわゆる「マルヌのタクシー」だ。その大半を占めていたタイプAGは、フランス国内で英雄的な地位を獲得した。

1910年 タイプAG
1910年 タイプAG

1932年 レイナステラ

レイナステラはルノーのフラッグシップモデルとして、イスパノ・スイザ、ロールス・ロイス、ダイムラー、リンカーン、パッカード、キャデラックに対抗するために設計されたものの、不運なことに、その発売時期はちょうど1929年の世界恐慌と重なってしまった。全長5.3mの車体に7.1L直列8気筒エンジンを搭載した高級車で、購入も維持も高額だったため、生産台数は数百台に留まった。

また、ボディにアルミニウムを多用していたことから、第二次世界大戦中に航空機の材料として再利用され、現存する車両は非常に少ない。

1932年 レイナステラ
1932年 レイナステラ

1934年 セルタキャトル

ルノーは第一次世界大戦前、フランス最大の自動車メーカーであり、戦後も技術とデザインの両面で保守的な姿勢を貫いた。それに対し、ライバルのシトロエンは革新に力を入れていた。

1934年のシトロエン・トラクシオン・アヴァンは、前輪駆動、独立懸架サスペンション、モノコックボディ、ラック&ピニオン式ステアリングといった先進的な技術を採用していた。一方、ルノーのセルタキャトル(Celtaquatre)はリジッドアクスル式で、見た目も乗り心地も古臭い印象があった。価格ははるかに安かったものの、販売台数ではトラクシオン・アヴァンやプジョー301に大きく水をあけられた。

1934年 セルタキャトル
1934年 セルタキャトル

記事に関わった人々

  • 執筆

    アレックス・ウォルステンホルム

    Alex Wolstenholm

    役職:編集アシスタント
    AUTOCARの編集アシスタントとして、中古車やクラシックカーなどの特集記事、SEO対策にも携わる。熱狂的なクルマ好きで、特に不明瞭な点や風変わりな部分については、仕様書に詳しく目を通す。現在は2007年式のアルピナD3ツーリングに乗っているが、母親のフォード・フィエスタを運転している姿もよく目撃される(母親は迷惑している)。これまで運転した中で最高のクルマは、なんだかんだで今のアルピナ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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