ヒョンデ ワイルドな新型EV『コンセプト・スリー』発表 空力重視の個性派ハッチバック

公開 : 2025.09.11 07:45

ヒョンデは『コンセプト・スリー』と呼ばれる新型のEVコンセプトカーを欧州で発表しました。2026年に発売される見込みで、従来の形状やサイズにとらわれない独自のデザインを採用。車内はリビングのような雰囲気に。

従来の形状にとらわれないデザイン

ヒョンデは、新型EVのコンセプトモデル『コンセプト・スリー(Concept Three)』を欧州で発表した。来年発売予定の電動ハッチバックを予告するものだ。

ドイツで開催中のミュンヘン・モーターショーの目玉となっているコンセプト・スリーは、量産バージョンでは『アイオニック3』と命名される見込みだ。ただし、『アイオニック2』や『アイオニック4』の可能性も残されていると、同社幹部はAUTOCARに語った。

ミュンヘン・モーターショーで公開されたヒョンデ・コンセプト・スリー
ミュンヘン・モーターショーで公開されたヒョンデ・コンセプト・スリー    AUTOCAR

コンセプト・スリーの量産バージョンは欧州で生産され、同市場向けの主力EVモデルとなる見通しだ。

ヒョンデ・デザインセンターの責任者、サイモン・ローズビー氏はコンセプト・スリーについて、細部はショーカー的な要素が多いものの、全体のプロポーション、形状、サーフェスは量産車と同一だと述べた。実際、量産車はコンセプト・スリーより先に設計されていたという。

ボディサイズは全長4288mm、全幅1968mm、全高1465mmで、幅を除いてフォルクスワーゲン・ゴルフとほぼ同等だ。しかし、従来型ハッチバックとは異なり、「エアロハッチ」と呼ばれるスタイルを採用。傾斜の強いボディと、滑らかなリアハッチとスポイラーにより、空気抵抗の低減と効率性向上を実現している。

これは、従来の形状やサイズにとらわれないヒョンデのアイオニックシリーズ全体のコンセプトに沿ったものだ。

ローズビー氏は、この方針により各セグメントの特定のターゲット層を意識したモデル設計が可能になったと述べている。特に、競争の激しい欧州ハッチバック市場では「差別化を図る」ための手段として、このアプローチが不可欠だという。

リビングルームのようなインテリア

コンセプト・スリーでは、『アート・オブ・スチール』と呼ばれる新たなデザイン言語を採用した。スチールという素材の魅力を際立たせ、より彫刻的な形状とサーフェスを生み出すことを目指している。

クルマを楽しく親しみやすいものにすることで、買い手の共感を呼び起こす狙いがある。コンセプト・スリーにはその意図を込めたイースターエッグが複数隠されており、ミスター・ピックス(Mr Pix)というアイコンもその1つだ。

ヒョンデ・コンセプト・スリー
ヒョンデ・コンセプト・スリー    ヒョンデ

ローズビー氏は、量産車はコンセプト・スリーよりも全幅と全高が縮小されるものの、「基本コンセプト」はすべて継承されると述べた。

例えば、ヘッドライトはスリムな形状を維持する(コンセプトよりは目立たせる)。ピクセルグラフィックは、他のアイオニックモデルとの数少ない共通要素の1つとして残される。

ガルウィングドアは、量産車では採用されない。ローズビー氏によれば、これはインテリアをより効果的に見せるための設計だったという。

インテリアはエクステリア以上に革新的だが、量産車との共通点もある。素材の使い方とデザインには『ファーニッシュド・スペース(家具を置いた空間)』というコンセプトが反映され、リビングルームのような雰囲気に仕上げられている。

HMIマルチメディア・インターフェースにも新たなアプローチが採用され、ドライバー付近のボタン数を増やすことで、運転に集中しやすいようにした。ドライバーディスプレイも、ステアリングホイール上部の視線に近い位置に配置されている。

「安全性を最優先に考えなければなりません。タッチスクリーンに全面的に依存せず、ボタンを保持します」とローズビー氏は言う。

コンセプト・スリーの技術的な詳細は未公開だが、兄弟ブランドのキアEV3と同じ400V E-GMPプラットフォームをベースにしているとみられる。量産バージョンでは、キアEV3と同様のドライブトレインとバッテリーが搭載されるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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