【技術にホンダらしさあり】ラストマイルではなく目的地で利用するハンズフリーパーソナルモビリティ!UNI-ONE事業内容発表

公開 : 2025.09.24 07:05

ホンダがハンズフリーパーソナルモビリティ『UNI-ONE(ユニワン)』の事業発表会を行いました。UNI-ONE自体は2022年に発表され、翌年のジャパンモビリティショーにも登場しています。発表会に参加した森口将之のレポートです。

やわらかいデザインにも好感

プレリュードが24年ぶりに復活を果たしてから4日後の9月8日、同じホンダがハンズフリーパーソナルモビリティ『UNI-ONE(ユニワン)』の事業発表会を行った。

事業発表会と銘打っているのは、UNI-ONE自体は2022年に発表されており、翌年の『ジャパンモビリティショー2023』で展示や試乗の場も設けられているからだ。

ホンダがハンズフリーパーソナルモビリティ『UNI-ONE(ユニワン)』の事業発表会を開催。試乗車は東京2025世界陸上配備仕様のカラーリングだ。
ホンダがハンズフリーパーソナルモビリティ『UNI-ONE(ユニワン)』の事業発表会を開催。試乗車は東京2025世界陸上配備仕様のカラーリングだ。    森口将之

僕は2022年度のグッドデザイン賞にUNI-ONEが応募してきたとき審査委員だったので、そのときに初めて触れることができた。

特別な操作なしに、体重移動だけで行きたい方向に進むことができるのは画期的だったし、高度なテクノロジーが内蔵されていることを良い意味で感じさせない、やわらかいデザインにも好感を抱いた。

グッドデザイン賞は生活用品から地域の取り組みまで、国内外のあらゆるモノやコトを対象とする、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみで、応募総数は5500件前後にもなる。

その中からUNI-ONEは、20件だけが選ばれる金賞に輝いたのだから、モビリティ以外の専門家からも高く評価されたことが理解できるだろう。

その完成度の裏にあるのは、ホンダが30年以上前から、モビリティロボットの研究開発を行ってきたという歴史だ。その成果はこれまでも2009年の『U3-X』、2013年の『UNI-CUB』などで披露されてきた。

後者の進化版『UNI-CUBβ』は、米国のロックバンド『OK Go』のミュージックビデオに起用され、YouTubeではわずか半日で100万回再生を記録するなど話題になったことを、覚えている人もいるだろう。

もちろんこれらのモビリティには、ホンダがその前から研究を始め、ASIMOとして世に送り出されたロボット技術が反映されていることは言うまでもない。もちろん今回のUNI-ONEも、である。

ASIMOの経験も反映

メカニズムの特徴としてはまず、乗降のためのローポジションと、移動のためのハイポジションがある点が挙げられる。乗り降りのしやすさと、歩いている人との目線の近さを両立したもので、スイッチ操作で昇降する。

続いては前後方向だけでなく左右方向にも駆動する、ホンダオムニトラクションホイールシステムが挙げられる。さらにハイポジションではこの2輪のホイールのみで自立するので、歩行するときのバランスの取り方をもとにした、人協調バランス制御を織り込んだ。こちらについては、ASIMOの経験も反映したそうだ。

ハイポジションでは目線が歩行者に近くなる。
ハイポジションでは目線が歩行者に近くなる。    森口将之

よって坂道でも、通常の電動車いすとは違い、垂直姿勢を保ったまま上り下りするという、人間に近い姿勢を取る。傾斜角度は10度まで大丈夫だそうで、通常のスロープは問題なくクリアできる。

この日はプレゼンテーションの後、試乗もできた。初めてUNI-ONEに乗る人も多かったようだが、戸惑うことなくスムーズに移動しているようで、ボタンやレバーなどの操作系を持たず、歩くときの重心移動によって動かすという考え方が、直感的に受け入れられているように思えた。

安全面では、システム異常時に自動的にローポジションになる機構が特筆できる。試しに走行中、わざと上体を大きく左右に揺らしたら、安全機構が働いてローポジションに切り替わり、停止した。これなら転倒などの事態は防げそうだ。

2022年の発表時からの改良点もあって、本体がやや小型になったこと、スマートフォン状の情報機器が取り付けられたことなどがある。後者は通信機能も内蔵していて、ARグラスとの連携で、アミューズメントマシンとしても活用できるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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