解体するには惜しいヴィンテージな「廃車」 20選 ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.10.12 11:45

プリムス・ベルベディア(1958年)

ライオンズ・ヴィンテージ・ジャンクヤードを訪れた際、同年代のベルベディアを少なくとも3台確認した。1957年式が2台(この車両を含む)と1958年式1台だ。ベルベディアという名称は、1954年から1965年までプリムスの最上級モデルに用いられた。

この時代のプリムスで最も有名なのは、スティーブン・キング原作のジョン・カーペンター監督映画『クリスティーン』で主役を務めた1958年式フューリーだろう。撮影には計28台が使用されたが、実はその多くがベルベディアだった。大半は最終的にこのような姿になってしまった……。

プリムス・ベルベディア(1958年)
プリムス・ベルベディア(1958年)

インターナショナルKBシリーズ

インターナショナルKBシリーズは、頑丈で信頼性の高い働き者として評判を得た。とはいえ他の商用車同様、過酷な使用環境に置かれる傾向があったため、現存率は高くない。このKB3のようなパネルバンは当時としては珍しく、現在では非常に稀少である。

残念ながら錆が進行しており、レストアされる可能性は低いだろう。

インターナショナルKBシリーズ
インターナショナルKBシリーズ

パッカード・パトリシアン400(1951年)

1951年に販売されたパッカード・パトリシアン400はわずか9001台。この現存車はまさに貴重な逸品だ。搭載される8気筒エンジンは最高出力155psを発生し、0-97km/h加速16.6秒という優れた加速性能を誇った。このエンジンには、2年前に市販導入されたウルトラマティック(Ultramatic)という油圧トルクコンバーター式トランスミッションが組み合わされていた。当時、外部支援なしに独立系自動車メーカーが単独で生産した唯一の自動変速機であった。

パッカード・パトリシアン400(1951年)
パッカード・パトリシアン400(1951年)

プリムス・クランブルック(1952年)

プリムス・クランブルックは、デトロイトのクランブルック・ドライブという道路に因んで名付けられた。この道路はコンコード・ストリートやケンブリッジ・アベニュー(いずれも同時期のプリムス車名)と共に、工場の近くに位置していた。1951年から1953年まで生産されたクランブルックは、スペシャル・デラックスの後継車種である。この4ドア仕様は1952年に生産された。

プリムス・クランブルック(1952年)
プリムス・クランブルック(1952年)

マーキュリー・モントレー(1963年)

この1963年式マーキュリー・モントレーは、特徴的な逆傾斜の格納式リアウィンドウ「ブリーズアウェイ」を備えている。同年生産された2万8388台のモントレーのうち、ハードトップ・セダンは最も売れ行きが悪く、新車当時2995ドルで購入した人はわずか1692人だった。

この個体は非常に状態が良く、入手困難なスペアパーツを数多く提供してきたに違いない。

マーキュリー・モントレー(1963年)
マーキュリー・モントレー(1963年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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