解体するには惜しいヴィンテージな「廃車」 20選 ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.10.12 11:45

リンカーン・コンチネンタル(1967年)

この1967年式リンカーン・コンチネンタル4ドア・セダンのビニールルーフにある膨らみを見てほしい。一体どんな衝撃が加わればこのように変形するのか、想像するだけで恐ろしい……。

リンカーンにとって1967年は不調だった。高級車市場のライバルであるキャデラックやインペリアルの新型と競合した結果、販売台数は前年比9000台減の4万5667台にとどまった。

リンカーン・コンチネンタル(1967年)
リンカーン・コンチネンタル(1967年)

リンカーン・コンチネンタルMkIV(1974年)

オペラウィンドウ、コンチネンタルのスペアタイヤ型トランクリッド(写真ではその上に別のタイヤが……)、ビニールルーフを備えたリンカーン・コンチネンタルMkIV(1972-1976年)は、1970年代のパーソナルラグジュアリーの象徴だった。販売も好調で、ライバルのキャデラック・エルドラドを常に上回っていた。こちらは1974年式の2ドア・ハードトップで、同年生産された5万7316台のうちの1台だ。一方、エルドラドは約4万台が生産された。

リンカーン・コンチネンタルMkIV(1974年)
リンカーン・コンチネンタルMkIV(1974年)

ビュイック・スカイラーク(1961年)

1961年半ば、2ドア・セダンをベースにした高級仕様のスペシャル・スカイラークが登場した。専用のテールライトハウジングや、各フェンダーに3つずつ並んだベンチポート(装飾用の通気口)など、ユニークなデザインを特徴としていた。エンジンは3.5L V8で、最高出力185psを発生。0-約97km/h加速8.2秒を誇った。

ビュイックはスカイラークを46年間、6世代にわたって断続的に生産した。

ビュイック・スカイラーク(1961年)
ビュイック・スカイラーク(1961年)

ビュイック・スーパー(1953年)

ボディは衰えていても、入れ歯のようなグリルには何の問題もなかった。1953年式ビュイック・スーパーの4ドア・セダンだが、ドアハンドルがないため、4枚のドアを開けるのは困難かもしれない……。

ビュイックは1953年、計48万8755台を売り上げるなど絶好調だった。当時のビュイックはシボレーフォード、プリムスに次ぐ米国第4位の人気ブランドだったが、1950年代後半には第7位に落ち込むことになる。

ビュイック・スーパー(1953年)
ビュイック・スーパー(1953年)

マーキュリー・エイト(1947年)

少々傷んではいるが、このマーキュリー・エイトは部品取りにするには惜しいほど状態が良かった。1947年式か1948年式か見分けがつくなら、よほど詳しい人だろう。わたし達の知る限りでは、両車の主な違いは計器盤のデザインだったはずだが、確認するのを忘れてしまった。

とはいえ、1947年の販売台数(8万6363台)が1948年(5万268台)よりも多かったことから、前者である可能性が高い。

マーキュリー・エイト(1947年)
マーキュリー・エイト(1947年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事