【キーワードはカケザン】トヨタが進める未来型実験都市『ウーブンシティ』フェイズ1を初公開!

公開 : 2025.09.30 11:45

トヨタが進める未来型実験都市『ウーブンシティ』が25日、正式に動き出しました。ウーブンシティは、トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地にトヨタが独自に建設したものです。そのフェイズ1公開に参加してきた桃田健史がレポートします。

ウーブンシティが正式オープン

トヨタが進める未来型実験都市『トヨタ・ウーブンシティ(Toyota Woven City)』(以下ウーブンシティ)』が25日、正式に動き出した。

ウーブンシティは、トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地にトヨタが独自に建設したもので、場所は富士山近くの静岡県裾野市だ。

トヨタが進める未来型実験都市『トヨタ・ウーブンシティ』が正式オープン。
トヨタが進める未来型実験都市『トヨタ・ウーブンシティ』が正式オープン。    桃田健史

ウーブンシティの計画が明らかになったのは、2020年1月のCESでのこと。CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)とは、ITや家電に関する世界最大級の国際見本市で、2010年代半ば以降は自動車メーカーの出展が急増した。

背景にあるのが、CASEと呼ばれる『自動車産業×IT産業』の新たなる産業の図式だ。CASEとは、通信によるコネクテッド、自動運転技術、シェアリングなどの新サービス、そしてエネルギー分野を踏まえた電動化を指す。

こうした業界の動向を『100年に一度の自動車産業再変革』と表現するように、自動車メーカー各社は自社事業の抜本的な見直しが迫られた。

そうした自動車産業にとって先行き不透明な時代に、トヨタが選んだ道は自ら都市を設計し、その中で具体的な研究開発を進めようという大胆な発想だった。これが、ウーブンシティである。

グローバルで見れば、国や地方政府と大手IT企業が連携した、いわゆるスマートシティ構想があるが、ウーブンシティは単なるスマートシティではないようだ。その実態について、ウーブンシティの中を実際に巡りながら関係者から話を聞いた。

インベンターズとウィーバーズ

今回のオープンの正式名称は『フェイズ1オフィシャルローンチ』。フェイズ1の敷地面積は約4万7000平米で、マンションのような建物が複数立ち並ぶエリアだ。

続くフェイズ2は、敷地面積が18万2000平米あり様々な交通を想定した大規模テストコースが含まれるエリア。さらに、旧東富士工場の建物をリノベーションした『インベンターガレージ』(約6万5000平米)を含めて、ウーブンシティには大きく3つのエリアがある。

フェイズ1の敷地面積は約4万7000平米で、マンションのような建物が複数立ち並ぶ。
フェイズ1の敷地面積は約4万7000平米で、マンションのような建物が複数立ち並ぶ。    トヨタ自動車

『インベンターズ』(開発者)は現在、トヨタ・グループ各社を含めた20社が加わっており、今後は海外の事業者なども含めて様々な企業やアーティストなどが参画する可能性がある。

一方で、『ウィーバーズ』は住民やビジターなど実際にウーブンシティで生活したり空間を楽しむ人達を指す。フェイズ1ではまず、数十人が居住し、近い将来には300人程度まで拡大する予定だ。

では、インベーダーズの実証内容について詳しく見ていこう。

まず、ダイキン工業は『花粉レス空間』として、特定の住戸に花粉の進入を防ぐ換気システムを導入する。また室内のセンサーで花粉を検知した場合、換気システムが自動で稼働する。

次にダイドードリンコは、空間と調和し感性に訴える新型自販機『HAKU』の開発を目指す。同社の事業は約9割を自販機を通じて行うのが同業他社との大きな違い。だが近年は、人口減少やコンビニの普及などで自販機の設置数が全国で減っているため、新たなビジネスモデルの構築を考えており、その実証の場としてウーブンシティを選んだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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