アウディF1参戦の裏側 秘密の拠点に潜入(後編) 自らを信じる気持ちが生んだザウバーの「成長」

公開 : 2025.11.29 11:45

ザウバーチームの成長、将来への期待感

ウィートリー氏もこの課題は認めるが、チームの現状については明らかに楽観的だ。「予想以上に若く、柔軟なチームだと知り、非常に勇気づけられました」

実際、ザウバーチームは、アウディのブランドを掲げる前から「毎週日曜に2台のマシンをレースに送り込むこと自体が達成目標だった状態から、競争力あるF1チームになるための準備をすでに始めている」のだという。

アウディR26コンセプト
アウディR26コンセプト

その証拠として、ウィートリー氏は先日のブラジルGP前に行われたスプリントレースで新人ガブリエル・ボルトレート選手が起こした衝撃的なクラッシュを挙げている。「チームはブラジルで、信じられないほど短期間でガブリエルのマシンを再構築……いや、まったく新しいマシンを構築するという驚異的なことを成し遂げようとしていました。1年前のチームなら、そんなことはできなかったでしょう。それはツールや投資の成果ではありません。精神力、そしてチームが自らを信じる気持ちから生まれたものです」

確実なのは、アウディが勝利を信じているということだ。「1930年代のアウトウニオン・シルバーアローからツーリングカーでの支配的な強さ、ラリー、そしてル・マン24時間でのハイブリッドの優位性まで、アウディはレースシリーズに参戦するたびに必ず成功してきました」と、同社CEOのゲルノート・デルナー氏は語る。

「アウディがレースシリーズに参戦するのは、単に競争に加わるためではありません。主導し、革新し、勝利するためです。F1においてもアウディはまさにそれを目指しています」

「わたしが2年前にCEOに就任した際、F1への取り組みを強化する決断を下しました。なぜなら選択肢は2つしかないからです。正しくやるか、まったくやらないかのどちらかです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

アウディF1参戦の裏側の前後関係

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