今は跡形もない? 解体寸前の貴重なクラシックカー 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.11.23 11:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、ロッキー山脈を望むコロラド州の大地で見つけた、今はもう解体されて存在しないかもしれない廃車を紹介します。

ロッキー山脈を望むコロラドの大地で

デンバーから北へ約80km、米国コロラド州ウィンザーにあるジャンクヤード『マーティン・サプライ(Martin Supply Inc)』で、筆者は素晴らしい朝を過ごした。

同ヤードは半世紀以上も前からこの場所にあり、そのことは驚くほど豊富な在庫にも表れている。筆者がこれまで訪れた他の廃車置き場とは違って、ここでは金属スクラップのリサイクル事業も盛んに行われていた。

コロラド州の巨大ジャンクヤードで見つけた、印象深い廃車をいくつか紹介する。
コロラド州の巨大ジャンクヤードで見つけた、印象深い廃車をいくつか紹介する。

そのため、敷地の前面は巨大な機械がアルミ缶や古い洗濯機を粉砕する活気にあふれていたが、裏手は1000台以上のクラシックカーが並ぶ静寂の海で、野ウサギが走り回る音だけが聞こえた。

筆者の訪問からしばらく後、このヤードはアンデルセン・セールス&サルベージという別会社に売却されたようだ。2021年には「改修と清掃のため閉鎖」となっていたが、その後再開したらしい。「清掃(clean-up)」という言葉にはいささか不穏な響きがある。あまり徹底しすぎていないことを願うばかりだ……。本稿では、訪問時に発見した印象的な廃車を紹介したい。

雄大な景色

この素晴らしい景色を目に焼き付けてほしい。ここを隅々まで探索するのに4時間かかったが、この写真をよく見ると、見逃してしまったクラシックカーがまだたくさんある。レストア用のプロジェクトカーもあったが、在庫の大半は部品取り車で、徹底的に部品を剥ぎ取られた車両も少なくない。右手前のオレンジ色の車両は、骨組みだけがむき出しになっている。これが何のクルマか分かるなら、間違いなく筆者よりお詳しい。

広大な敷地に車両がびっしりと並ぶ。
広大な敷地に車両がびっしりと並ぶ。

ポンティアック(1954年)

この1954年式ポンティアック・ハードトップの背後には、雪を被ったロッキー山脈がかすかに見える。コロラド州のナンバープレートにも描かれるロッキー山脈は、北のブリティッシュコロンビア州から南のニューメキシコ州まで約4800kmにわたり連なり、この廃車置き場からも50kmほどの距離にある。

ポンティアック(1954年)
ポンティアック(1954年)

ボルボP1800

米国のジャンクヤードにある欧州車と言えば、通常、数台のフォルクスワーゲンビートル、バス、カルマンギア、そして稀にMGやトライアンフ・スピットファイアなどが並ぶ程度だ。しかし、マーティン・サプライ社は、この魅力的だがみすぼらしいボルボP1800を含め、複数の欧州車を保管していた。

ボルボ1800は1961年から1972年に生産されたスタイリッシュなクーペで、ショールームの目玉となり、ブランドの知名度向上に貢献した。米国は、その最大の輸出市場であった。

ボルボP1800
ボルボP1800

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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