【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#24 クルマってこんなにハゲるのか!

公開 : 2025.12.05 12:05

放っておくなんて俺にはできない!

はぁ~……。

アルナージは、1998年から2004年まで生産された。当該車両は恐らく初期型と思われるので、車齢は27年くらいだろうか。ベントレーって、屋外に駐車しておくと、27年でこうなる(こともある)んだなぁ。

近所の月極駐車場に、紺の高級セダンが止まっていた。ふと見ると……。
近所の月極駐車場に、紺の高級セダンが止まっていた。ふと見ると……。    清水草一

ここまでハゲてるってことは、ハゲ始めたのはかなり前だろう。ひょっとして10年くらい前かもしれない。つまり、17歳でハゲ始めて、10年後にこうなった、のかもしれない。

ガーン。

18歳でハゲ始めた大貴族号は、ボディカラーがパールホワイトゆえに、10年後、ここまで悲惨な見た目にはならないだろう。しかし、放置すれば、表面は同じようなことになるかもしれない。そんな残酷な事実を突きつけられた。

こんな未来がわかっていて、放っておくなんて俺にはできない!

直そう!

いえ、全塗装じゃないです。エンジンフードだけです。根本的解決にはなりませんし、いつかは別の部分がハゲるでしょう。でも、最初のハゲをこのまま放置するのは、購入早々、クルマを捨てたも同然な気がする。病気にかかったペットを、「どうせ亡くなってしまうから」と、獣医さんに連れて行かないようなものかもしれない。

それはカーマニアとして耐えられない! とりあえず直さないと! ほかの部分がハゲてきたら、それはその時考えよう。うお~ん。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は12月19日金曜日公開予定)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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