初代ディフェンダーを独自リメイク イネオス・グレナディア 3.0T(1) BMWの直6にラダーフレーム ダッシュは飛行機風

公開 : 2026.02.23 18:05

初代ディフェンダーをリメイクしたグレナディア ラダーフレームにBMWの3.0L直6 飛行機風のダッシュボード 286psでレンジローバーと同等の動力性能 走破性は世界最高峰 UK編集部が試乗

マグナ・シュタイアー社の協力を得ながら提供

初代ディフェンダーをこよなく愛する大富豪、ジム・ラットクリフ氏。ランドローバーがその量産ラインを処分すると聞くと、デザインの権利と生産設備の購入を申し出た。しかし拒否され、自らリメイク版といえるオフローダーを生み出した。

それが、イネオス・グレナディアだ。インフレや環境規制、サプライヤーの倒産といった逆風にもめげず、マグナ・シュタイアー社の協力を得ながら、提供へこぎつけている。現在も経営は難しいようだが、2026年仕様としてアップデートが実施された。

イネオス・グレナディア 3.0T フィールドマスター(英国仕様)
イネオス・グレナディア 3.0T フィールドマスター(英国仕様)

オリジナルのディフェンダー 110に似たボディシェルは、スポット溶接されるスチール製。ドアとボンネットは、アルミで作られている。シルエットはボンネットが長く、完全なコピーではない。フロントマスクも、明らかに違う。

全長は、テールゲート上のスペアタイヤを含めて4895mm。ゴツいフロントバンパーは、5.5tまで引っ張れるウインチに対応する。タイヤは、ブリヂストン・デューラーA/T 001が標準。試乗車は、本気度の高いBFグッドリッチKO2を履いていた。

ラダーフレーム・シャシーにBMWの3.0L直6

シャシーは、スチール製ラダーフレーム。主要な構造材は、高さ約150mmあるとか。サスペンションはビームアクスルで、アイバッハ社製コイルとZF社製ダンパーが支える。

2678kgの車重を引き受けるのは、BMWから届けられる3.0L 直6エンジン。ガソリンかディーゼルを選べ、世界各国の排気ガス規制もクリアする。試乗車は、286psと45.8kg-mを発揮するガソリンだった。

イネオス・グレナディア 3.0T フィールドマスター(英国仕様)
イネオス・グレナディア 3.0T フィールドマスター(英国仕様)

トランスミッションは、ZF社製の8速オートマティック。トヨタスープラと、基本的に同じユニットらしい。四輪駆動で、トレメク社製の2速トランスファー/センターデフを実装。電子制御のロッキングデフも、前後に組まれる。

2026年仕様としては、ステアリングラックが可変式になり、最初の45度までがクイックに。精度と反応を高めつつ、キックバックなどは排除されている。カーブ出口でのセルフセンタリング性も強められ、運転しやすくもなっている。

ダッシュボードは飛行機のコクピット風

運転席へよじ登ると、初代ディフェンダーと同様に特別な雰囲気。レカロ社製シートがしっかり身体を保持してくれ、座面は高めで天井が近い。公道へ出てみれば、大きなSUVのドライバーを見下ろせるほど、視線は高め。全方向で視界が良い。

ダッシュボード周りは、飛行機のコクピットのよう。センターコンソールには、エアコンやシートヒーターの物理スイッチ。四輪駆動システムの操作は、バックミラー手前のコンソールに集約され、すべてのスイッチを手袋のまま操作できる。

イネオス・グレナディア 3.0T フィールドマスター(英国仕様)
イネオス・グレナディア 3.0T フィールドマスター(英国仕様)

車内は基本的に防水で、フロアはホースで水洗い可能。排水ドレンも開いている。ステアリングホイールやシートは、上質なレザー張り。ドアポケットは小さく、センターコンソールのトレイも深くはない。助手席の下に、多少の装備を仕舞えるが。

テールゲートは、サイドヒンジの観音開き。荷室容量は1152Lと広大で、後席を倒せば2035Lまで拡大可能。ただし、床面は完全なフラットにはならない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

イネオス・グレナディア 3.0Tの前後関係

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