ルノー新型EV『4(キャトル)』 約530万円から英国発売へ レトロな小型クロスオーバー

公開 : 2025.06.02 06:45

ルノーは新型『4』の英国向けの販売を7月より開始します。3種類のグレードを用意し、ミニやフィアットなどのライバルを下回る価格設定としています。レトロなデザインと使い勝手の良さを武器に、EV販売の拡大を狙います。

ライバルを下回る価格設定

ルノーは、新型EV『4』の英国向けの価格と仕様を公開した。7月から受注開始予定で、価格は2万6995ポンド(約530万円)からと、ミニ・エースマンやフィアット600eを下回る設定となる。

英国では7月1日に「R-Pass」と呼ばれる先行予約の受け付けが始まり、7月15日から一般販売へと移行する。グレードは3種類用意されている。

ルノー4 Eテック
ルノー4 Eテック    ルノー

エントリーグレードの『エボリューション(Evolution)』は、18インチのダイヤモンドカットアルミホイール、キーレスエントリー、デュアルゾーン・クライメートコントロール、キルティング生地のシート、10インチのタッチスクリーン、ワイヤレスのスマートフォン接続機能を標準装備とする。

中間グレードの『テクノ(Techno)』は、グーグルベースのEV用ルートプランナー、ワイヤレスのスマートフォン充電器、後部座席にUSB-Cポート2つ、アダプティブクルーズコントロール、ハンズフリーのパークアシスト、48色のアンビエントライト、ハーフレザー調シートが追加される。価格は2万8995ポンド(約565万円)から。

最上位グレードの『アイコニック(Iconic)』は、専用ブラックホイール、電動トランクリッド、シートヒーターおよびステアリングヒーター、イエローのアクセントトリムトリム(内装)、強化された運転支援機能が標準装備となる。価格は3万995ポンド(約605万円)から。

レトロなデザイン要素を満載

ルノー4は、アイコニック・ファミリーと呼ばれるレトロシリーズの最新モデルで、1960年代の初代4の後継車とされるコンパクト電動クロスオーバーだ。このシリーズでは、既存の5と新型4に続き、2026年にトゥインゴ(こちらもEV)が登場する予定だ。

ルノーは、5よりも大型のモデルを求める購入者をターゲットにしており、キャプチャーがクリオ(日本名:ルーテシア)の上位に位置付けられているのと同じようなものだと説明している。

2024年のパリ・モーターショーで公開されたルノー4 Eテック
2024年のパリ・モーターショーで公開されたルノー4 Eテック    AUTOCAR

ルノー4のボディサイズは、全長4140mm、全幅1800mm、全高1570mmと、ハッチバックの5より一回り大きい。

欧州市場では、ミニ・エースマン、オペル/ヴォグゾールモッカフォルクスワーゲンID.3ジープアベンジャーなどのEVと競合するだろう。その中で、4は比較的手頃な価格設定、使い勝手の良さ、アドベンチャーライクなデザインを武器とする。

デザインは、2022年に発表されたコンセプトカー『4Everトロフィー』をほぼそのまま踏襲している。フロントにはイルミネーション一体型グリルを採用し、エンブレムにもバックライトが組み込まれている。

初代4へのオマージュとして、3分割されたリアライト、ルーフ一体型の小型スポイラー、バンパーのオーバーライダー、ドアシルに沿って彫られた3本のラインなどが特徴的だ。初代と同様、オプションでファブリックルーフを装着することもできる。

デザイン責任者のジル・ヴィダル氏は、特に台形のリアクォーターウィンドウとボンネットのカットライン(初代のクラムシェル開口部のオマージュ)について、「一目で4だとわかる部分」だと語った。

「(初代の)ルノー4の本質を忠実に再現しつつ、超モダンで将来も愛され続けるクルマにしたかったのです。わたしの子供たちは(初代の)5や4にあまり興味がないため、このクルマには独自のメッセージが必要でした」とヴィダル氏は言う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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