サンクとは違う個性 ルノー4 E-テック(2) 格上に並ぶ乗り心地と洗練性 インパクト大

公開 : 2025.08.22 19:10

電動クロスオーバーで復活した4 技術は5と共有 オリジナルを想起させる姿 遊び心が効いた内装 充分な動力性能に調整域の広い回生ブレーキ 洗練性は格上モデルに並ぶ UK編集部が試乗

充分な動力性能 調整域の広い回生ブレーキ

電動になって復活した、ルノー4(キャトル)。動力性能は、同クラスのバッテリーEVに期待するものへ過不足ない。0-100km/h加速は8.6秒と充分で、プラットフォームをともにする新しい5(サンク)へ0.4秒遅れる程度。追い越し加速も不満なく活発だ。

ステアリングホイール裏のパドルで強さを選べる、回生ブレーキも美点。惰性走行へ近い状態から、ブレーキペダルを踏まずに止まれるワンペダルドライブまで、複数段階に調整できる。これは、ハッチバックの5にも欲しい機能だろう。

ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)
ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)

ブレーキペダルは、踏み始めで若干敏感ながら感触はソリッド。タイヤの影響か、急ブレーキ時の制動距離は5ほど短くないようだが。

市街地での扱いやすさはクラストップ。手元のボタン1つでアクセルレスポンスを選べるが、コンフォート・モードでも速度管理しやすい。現在は150psでシングルモーターの前輪駆動のみながら、リアに2基目のモーターを積んだ四輪駆動版も控えている。

5とは違う個性 しっとり落ち着いた身のこなし

サスペンションは5より柔らかめで、ステアリングホイールの反応も、切り始めで少し穏やかな様子。微妙な違いではあるものの、全高は高く重心位置が上昇し、プロポーションも違うため、個性はしっかり異なる。

5のようにキビキビとした旋回性や、軽快な操縦性のバランスは備わらない。しかし、独立懸架式のリアサスペンションが効果的に機能し、フランス車らしく、しっとり落ち着いた身のこなしを実現している。

ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)
ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)

ステアリングの反応は正確。狭い車線でも、ボディを導きやすいと感じるはず。コーナリングスピードも、控えめなタイヤから想像する以上に高い。

乗り心地や洗練性は格上のモデルに並ぶ

快適性も優れる。肉厚なタイヤが功を奏し、乗り心地や洗練性はミニ・カントリーマン・エレクトリックなど、1つ格上のモデルに並ぶほど。カーブが連続する郊外の道をしなやかに巡れ、大きめのうねりでも不要にボディが揺れることはない。

走行中の車内の静かさも、ライバルを凌駕する。ひと回り大きい、キアEV3を上回るほど。座り心地の良いシートと相まって、長距離を安楽に移動できるはず。家族の一員のように、毎日へ溶け込んでくれるだろう。

ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)
ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)

電費は、市街地中心なら9.0km/kWhまで伸び、460kmほど無充電で走れる計算になる。高速道路では、110km/hで巡航させて5.3km/kWhへ縮まった。その条件での航続距離は275km前後だが、このクラスのEVとして概ね期待通りといえる。

急速充電は、DCで最大100kW。実際に試してみても70kWを下回ることはなく、残量10%から90%へ回復させた平均は、74kWを記録した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ルノー4 E-テックの前後関係

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