835ps&1000NmのV12ツインターボでライバルを叩きのめせ! アストン マーティン・ヴァンキッシュ・ヴォランテ【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.02.19 11:45

オープンモデルとして実用性は十分に高い

軽量なファブリックルーフの開閉はセンターコンソール上のスイッチで行い、そのために必要な時間はオープンが14秒、クローズが16秒。走行中でも50km/h以下ならば、また半径2mの範囲内であればスマートキーでその操作を行うこともできる。キャビンからの視界も悪くなく、オープンモデルとしての実用性は十分に高いレベルにある。

新型ヴァンキッシュ・ヴォランテのエンジンルームに収められるパワーユニットは、835psの最高出力と1000Nmの最大トルクを発揮する、5.2LのV型12気筒ツインターボ。

835psの最高出力と1000Nmの最大トルクを発揮する、5.2LのV型12気筒ツインターボを搭載。
835psの最高出力と1000Nmの最大トルクを発揮する、5.2LのV型12気筒ツインターボを搭載。    平井大介

思えば初代のV12ヴァンキッシュに搭載されていた6LのV型12気筒自然吸気エンジンが掲げていた最高出力は460psだったが、それでもアクセルペダルを踏み込むのにはかなりの勇気が必要だった。

しかしその繊細さは、この最新世代のヴァンキッシュ・ヴォランテでは感じることはない。もちろんそのバックグラウンドで、最先端のデバイスが常に安定方向へと姿勢を制御しているのは疑いの余地がないところ。オープン化に伴ってシャシーはさらに強化され、サスペンションにも独自のセッティングが施されている。

驚くべきは剛性感の高さ

まずはクローズドのスタイルで、それからトップを開いてその走りを楽しんでみたが、驚くべきはその剛性感の高さにあった。

ドライバーはセンターコンソール上のスイッチで『ウエット』、『インディビジュアル』、『GT』、『スポーツ』、『スポーツ+』の各ドライブモードを選択できるが、GTではその名が表すとおりグランツーリズモ並みのラグジュアリー感を、スポーツやスポーツ+では十分にしなやかな乗り心地を楽しみながら、ツインターボエンジンが秘めるパフォーマンスをフルに堪能することができる。

ラグジュアリーな室内は、スポーツプラスシートなど様々なオプションが装着されている。
ラグジュアリーな室内は、スポーツプラスシートなど様々なオプションが装着されている。    平井大介

そしてこのエンジンにさらなる魅力を感じたいのであれば、エンジンスピードは6000rpm以上をキープするといい。ここから先にあるのは、ライバルメーカーのスーパースポーツを確実に『ヴァンキッシュ』する世界だ。車重がクーペ比では95kgほど重くなるヴォランテであっても、その印象はまったく変わることはなかった。

さまざまなシーンで大きな魅力を感じさせる

クーペと同様に8速ATをリアにレイアウトし、前後の重量配分を最適化したヴァンキッシュ・ヴォランテは、コーナリングでも実に魅力的なフィーリングを伝えてくる。

このようなシーンで特に存在感を主張していたのは、ナチュラルなターンインとトラクション性能の高さを演出する電子制御LSDの動きだ。カーボンディスクが採用されたブレーキもまた、そのタッチは自然なものだった。

クローズドとオープンというふたつのスタイルで、さまざまなシーンで大きな魅力を感じさせる。
クローズドとオープンというふたつのスタイルで、さまざまなシーンで大きな魅力を感じさせる。    平井大介

高級なインテリアに全身を包まれ、クローズドとオープンというふたつのスタイルで、さまざまなシーンで大きな魅力を感じさせるヴァンキッシュ・ヴォランテ。アストン マーティンはそのプレミアム性を高く維持するために、ヴァンキッシュ・シリーズの年間生産台数を1000台以下とする計画を打ち出している。

カスタマーにとっては、オーダーから納車を待つまでの間もまた、これ以上ないほどに幸せな時間といえるのだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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