アメリカ車の象徴 ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジン(前編) 100年以上続く栄光と苦難の歴史を振り返る

公開 : 2026.03.08 11:05

キャデラック・モノブロック(1936年)

キャデラックは、シリーズ60と大型のシリーズ70に新型のモノブロックエンジンを導入した。当初は5.3Lだったが、後に5.7Lに拡大された。このV8エンジンは、キャデラックの兄弟ブランド、ラサールでも使用された。

写真:1939年 キャデラック・シリーズ60

キャデラック・モノブロック(1936年)
キャデラック・モノブロック(1936年)

キャデラック OHV(1949年)

第二次世界大戦の終戦から4年後、キャデラックはついにオーバーヘッドバルブ(OHV)方式のV8エンジンを開発した。OHV自体は、1904年からビュイックが採用していた。長い歴史を誇るキャデラックOHVの始まりであり、幾度かの近代化を経ながらも、ほぼオリジナルの構造を維持している。

当初の排気量は5.4Lだったが、1970年代には8.2Lに達し、エルドラド(写真)に搭載された。量産車用エンジンとしては記録的な数値だが、もっと高級なモデルではそれを大きく上回っていた。

キャデラック OHV(1949年)
キャデラック OHV(1949年)

オールズモビル・ロケット Mk1(1949年)

ライトエイト生産終了後、オールズモビルは四半世紀にわたりV8エンジンから距離を置いていたが、1949年に復帰すると、後に『ロケット』の愛称で知られるようになった。同時期のキャデラックV8よりやや小型のロケットは、当初5.0L仕様で展開され、最終的には6.5Lまで拡大された。1964年モデルまでオールズモビル車に搭載され続けた。

写真:1950年 オールズモビル88 デラックス・クラブ・クーペ

オールズモビル・ロケット Mk1(1949年)
オールズモビル・ロケット Mk1(1949年)

ビュイック・ネイルヘッド Mk1(1953年)

ビュイックは最初のV8エンジンを『ファイアボール』と名付けたが、すぐに『ネイルヘッド』の愛称で知られるようになった。その理由は、縦に並んだ小さなバルブが釘の列のように見えたからだ。この小さなバルブは低回転域での性能を高めるための設計であり、この特徴によって有名になり、高く評価されるようになった。

初期のネイルヘッドの排気量は4.3Lまたは5.3Lだった。ビュイックは1956年までの短期間しか使用せず、その後新世代エンジンに移行した。

ビュイック・ネイルヘッド Mk1(1953年)
ビュイック・ネイルヘッド Mk1(1953年)

(翻訳者注:この記事は「中編」へ続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジンの前後関係

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