フレンチポップな道具!シトロエンC3はいい落としどころ【日本版編集長コラム#72】

公開 : 2026.03.08 12:45

40kg重いにもかかわらず

今回はそれなりに長い期間乗らせて頂いたのだが、プジョー208と同スペックであるにもかかわらず208で感じたパワー不足を、不思議とC3では特に感じなかった。しかもこちらが40kg重いにもかかわらずだ。

これは208は2008に比べてという部分が大きく、さらにプジョーシトロエンのキャラクター、言い換えればブランドに対する期待値やイメージの違いだろう。

シトロエンお得意の『アドバンストコンフォート』を標準で採用。
シトロエンお得意の『アドバンストコンフォート』を標準で採用。    平井大介

そして何より、C3にはシトロエンお得意の『アドバンストコンフォート』と『PHC』(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)が採用されていることに注目だ。

背が高くなるということは、どうしても重心が高くなる傾向にある。そのため車体上側を揺らさないように、足まわりも硬くなることが多い。以前、某国産車エンジニアにその話をしたところ、最近は高剛性の接着剤を使用することで、ボディの剛性を上げつつしなりを吸収し、足まわりを柔らかくしているとの答えだった。

これはあくまでひとつの対策例だが、C3の場合は座り心地のよいアドバンストコンフォートとセカンダリーダンパーを備えるPHCで補っているように感じた。

PHCがついているわりには減衰が高く感じる

高速道路を走っていると、PHCがついているわりにはダンパーの減衰が高く感じる場面があったが、逆に言えば、PHCがないともっと足まわりを固める必要があったはず。また、その硬さをシートの乗り心地でカバーしているのだろう。

念のため断っておくと、いい悪いの話ではなくあくまで特性の話だ。このあたりはコストとの兼ね合いで、こういったベーシックカーでどこまで作り込むかは難しい部分で、個人的にはトールボーイのスタイリングを前提とするなら、いい落としどころのように思っている。

取材車のボディカラーはブライトブルーで、雰囲気はいかにもポップ。
取材車のボディカラーはブライトブルーで、雰囲気はいかにもポップ。    平井大介

ということで、長距離移動が多い方は同じシトロエンでいえばC4、プジョーでは2008あたりの選択肢もあるかもしれない。しかし街中が中心の場合、C3はサイズもちょうどよく、何よりも毎日が楽しくなる明るい雰囲気が魅力的だ。

リアシートは頭上の高さも広さも十分で、テールゲート下側が若干高い印象はあるものの、スーツケースは大が1個、小が2個綺麗に収まったラゲッジスペースも容量は十分。装備も必要なものはちゃんと付いている印象で、C3をひとことで表すなら『フレンチポップな道具』といったところだ。

個人的にはブライトブルーのボディカラーも好みで、駐車場で乗るのが毎回嬉しくなったのは強調しておきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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