新型・日産リーフ(1) 3代目はクロスオーバー 航続最長603km 期待背負うハードをチェック

公開 : 2025.09.29 19:05

モダンな姿のクロスオーバーになった3代目リーフ 航続は最長603km 14.3インチが2面の居心地良い車内 滑らかで洗練された加速 チャデモとお別れ ルノーとの違い充分 UK編集部が試乗

クロスオーバーへ刷新した3代目リーフ

リーフが、日産の期待を背負って3代目へ進化した。他メーカーの多くがバッテリーEVの初代を提供している2025年において、注目すべき事実だろう。とはいえモデル名は受け継いでいても、内容はクロスオーバーへ刷新されている。

航続距離200kmがうたわれた、初代の登場は2010年。2018年に2代目へバトンタッチし、384kmへ距離は伸びたが、まだその頃は直接的なライバルは殆どいなかった。

日産リーフ(欧州仕様)
日産リーフ(欧州仕様)

しかし2025年には、フォルクスワーゲンID.3プジョーE-2008、ルノーメガーヌ E-テック・エレクトリックなど、あげきれないほどの競合がひしめいている。伝統あるリーフでも、市場で支持を得るには相応の存在感を示す必要がある。

果たしてプラットフォームは、同社最新のバッテリーEV、日産アリアと共有。開発時は、特に効率の高さが意識されたという。

スタイリングはモダン 航続は最長603km

スタイリングは、確かに特徴的。全長4350mm、全幅1810mm、全高1550mmと、先代と高さは同等ながら、僅かに短く広い。スタイリングはモダンだが、レトロな雰囲気も漂わせる。ルノーとも差別化され、筆者にはカッコよく見える。

ブラックでコーディネートされたリアは、ダックテール風。3D効果のテールライトも目新しい。観察すると、2本線と3本線が組み合わされた処理が、各部へ点在することへ気付く。これは、日本語で2・3の発音が、ニッサンへ近いことへちなんだものらしい。

日産リーフ(欧州仕様)
日産リーフ(欧州仕様)

洗練されたフォルムのおかげで、空気抵抗を示すCd地は0.25と、先代の0.28から減少。他方、空力重視のシルエットでリアウインドウが薄く、後方の視界はやや制限される。

駆動用バッテリーは、52kWhか75kWhの2種類で、航続距離は436kmか603kmまで伸ばされている。アルミホイールは、18インチか19インチを履く。

14.3インチ・モニター2面 居心地が良い車内

インテリアは、適度な包まれ感で居心地が良い。ステアリングホイールは、握りやすいリムの2スポーク。ダッシュボード上面の素材は少し高級感へ欠ける光沢ながら、アクセントに風合いの良いクロスが組み合わされ、見た目の印象は良い。

液晶モニターは、インフォテイメント用とメーター用に、14.3インチが2面並ぶ。表示は鮮明で、操作性も良好だと感じた。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、無線で対応する。

日産リーフ(欧州仕様)
日産リーフ(欧州仕様)

加えて、主要な車載機能へ実際に押せるハードスイッチを残したことを、高く評価したい。レイアウトも従来的で、使いやすく感じる人は多いはず。唯一、シフトセレクターのボタンは少し古く思えるかも。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    2006年より自動車ジャーナリストとして活躍している。AUTOCARを含む複数の自動車専門誌で編集者を歴任した後、フリーランスとして活動を開始し、多くの媒体で執筆を続けている。得意分野はEV、ハイブリッド、お菓子。2020年からは欧州カー・オブ・ザ・イヤーの審査員も務める。1992年式のメルセデス・ベンツ300SL 24Vの誇り高きオーナーでもある。これまで運転した中で最高のクルマは、2008年のフォード・フィエスタSTとアルピーヌA110。どちらも別格だ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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