世界規模の波乱万丈な歴史 ダンロップのパブリックイメージ(前編)【サイトウサトシのタイヤノハナシ 第18回】

公開 : 2026.03.18 12:05

2025年、ダンロップ復活の年

しかし2014年、グッドイヤーが突然、国際商業会議所(ICC)に提携解消を求める仲裁を申し立てます。理由は、『住友ゴムによる反競争的行為』でした。

背景には、アライアンス外の東南アジア、中国、ロシアでのGYダンロップと日本ダンロップの販売競争があるとみられています。

名寄テストコース。
名寄テストコース。    斎藤聡

いずれにしても、交渉による段階的な解消ではなく、法的手段によって、有利な条件で一気に離婚を成立させようとした、というのがこの騒動の真相のようです。

1年半の交渉を経て2015年に和解案が成立。
・日本 住友ゴムJVCを完全子会社化。商標を独占使用。
・北米 GYが市販用と非日本メーカーの新車用地彩を保持。
・欧州 GYが欧州JVCを完全子会社化。GYが商標権を独占使用。
となり、一旦は実現した欧米のダンロップの事業をGYと分け合うことになってしまったのでした。

そして2025年、住友ゴムは積年の課題であったブランド権の再編について、グッドイヤーと最終合意に達します。

その内容は、グッドイヤーが所有している欧州、北米オセアニア地域における4輪タイヤの『ダンロップ』商標権及び契約上の権利を住友ゴムが取得するというもの。

住友ゴムは、2025年をダンロップ復活の年と位置付け、世界規模でブランド再構築をする『ONE DUNLOP』戦略を指導したのでした。

大谷翔平選手のCM起用は、住友ゴム≒ダンロップの壮大な戦略のひとつだったのです。

ダンロップの壮大な歴史を振り返った前編。次回の後編では、いよいよ本題、タイヤについてお話します。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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