ホンダとニトリ・グループがEVプラグインチャージで連携 『お、値段以上』に『充電以上』が加わる日

公開 : 2026.03.23 07:25

ホンダは昨年9月、日本メーカー初となるプラグアンドチャージ方式の『ホンダチャージ』を導入。この度、商業施設のパートナーとしてニトリ・グループが選ばれ、先日、体験取材会が行われました。森口将之のレポートです。

日本メーカー初のプラグアンドチャージ方式

本田技研工業(以下ホンダ)が3月12日、米国での化石燃料規制緩和やEV補助金見直しなどの影響を受けてEV市場が伸び悩んでいることなどを理由に、米国で生産予定だったEV3車種の開発、発売中止を決定したニュースは、最大2兆5000億円という累計損失額とともに大きな話題になった。

少し前にEVシフトを軌道修正したドイツ勢と合わせて、『EVはオワコン』、『ハイブリッドこそ正義』という意見が多く見られるが、直近では石油の9割以上を依存している中東地域で紛争が勃発し、ホルムズ海峡経由の輸入がストップしているわけで、ハイブリッド天下とも言い切れない。

昨年9月、日本メーカーでは初となるプラグアンドチャージ方式の『ホンダチャージ』を導入。
昨年9月、日本メーカーでは初となるプラグアンドチャージ方式の『ホンダチャージ』を導入。    本田技研工業

電気もまた石油から作られるので同じという主張は間違いで、関西電力や九州電力の化石燃料比率は5割ぐらいだし、化石燃料の主役は天然ガスや石炭で、主にオーストラリアや東南アジアから輸入されている。こちらも値上げはするだろうが、手に入るだけまだ良い。

なので小型、低速、短距離利用は、メリットが活かせるEVにしてもいいと自分は思っているし、ホンダが軽自動車やビジネスバイクから電動化を進めたのは納得できる。

そのホンダは2025年9月、軽乗用車EV『N-ONE e:』の発売と同時に、日本メーカーでは初となるプラグアンドチャージ方式の『ホンダチャージ』を導入した。

プラグアンドチャージとは、充電器での事前操作が必要なく、プラグを差し込むだけで充電が始まるタイプのことで、輸入車ではテスラがすでに同様のサービスを展開していることをご存知の方もいるだろう。

ホンダのそれはEV充電インフラ企業『プラゴ』との連携により実現したもので、プラゴが開発したシステム『&GO』を活用した。

ニトリ・グループが商業施設のパートナーに

ホンダは充電を特別な行為にせず、日常の用事の中で自然に完結することを目指している。そのため、家庭での『基礎充電』と高速道路のサービスエリアなどでの『経路充電』の間に、職場、商業施設、販売店などでの『基礎充電代替』を位置付け、マンション住まいなど自宅で充電できない人のために用意したいとしている。

また、基礎充電65%に対し35%の割合で展開したい基礎代替充電について、現状50〜80分の所要時間を、15〜30分ですませたいという。そのために予約、充電管理を行うアプリとともに、プラグアンドチャージ導入に踏み切った。

ニトリ・グループの島忠が運営する『ホームズ埼玉中央店』での体験取材会に参加した筆者(左)。
ニトリ・グループの島忠が運営する『ホームズ埼玉中央店』での体験取材会に参加した筆者(左)。    平井大介

そして商業施設のパートナーとして選ばれたのが、『お、ねだん以上。』のキャッチコピーで有名な『ニトリ』だ。今回はニトリ・グループの島忠が運営する『ホームズ埼玉中央店』で体験取材会が行われた。

ニトリでは、国が掲げている2050年カーボンニュートラルの目標達成には、EV普及が不可欠であると考え、すでに300以上の店舗に充電施設を用意しているが、こうしたプロセスの中で、ホンダチャージの使いやすさに注目。

暮らしの中での困りごとの解決、意識させない便利さを提供してきた同社として、ホンダの目指す提供価値に共感し、この価値を実装していきたいと考えたそうで、将来的に300基を設置していきたいという。

またニトリは、EVユーザーは比較的高所得であると想定していて、新しい客層に期待できることや、単に充電設備を導入するだけでなく、施設の魅力を高めていくことで、充電時間を買い物時間にしていきたいとも語っていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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