誰もが軽自動車に対する認識を大きく変える!『ホンダN-ONE e:』の走りは感動レベルの高級さ【ザ・国産EV検証 #5】

公開 : 2026.04.14 11:45

3月中旬、『メーカー合同EV取材会』と題した試乗イベントが開催されました。ここではスーパーカー超王ことモータージャーナリスト山崎元裕が『ザ・国産EV検証』と題して、各ブランドごとにレポートします。第5回はホンダです。

高級感のあるデザイン

ホンダの軽自動車、『Nシリーズ』にラインナップされる『N-ONE』。そのFWDモデルをベースとするBEVとして誕生したのが『N-ONE e:』だ。

N-ONE e:には『e:L』(価格319万8800円)と『e:G』(同269万9400円)の2グレードが用意されており、大きな違いはLが普通充電ポートに加えて急速充電ポートを標準で装備するのに対して、Gでは急速充電ポートがオプションとされること。実用性を考えれば多くのユーザーはLを選択するだろう。

取材車はN-ONE e:の上級グレードとなる『e:L』(価格319万8800円)。
取材車はN-ONE e:の上級グレードとなる『e:L』(価格319万8800円)。    平井大介

最近の軽自動車の主流ともなっている、いわゆるハイトワゴン系モデルを見慣れた目に、N-ONE e:のボディはとてもコンパクトなものに映る。実際にその全長×全幅×全高は3395×1475×1545mmしかないから、このような印象を抱くのは当然なのだが、そのデザインから軽自動車らしからぬ高級感を覚えるのは嬉しい。

そしてさらなる驚きは、キャビンの上質な仕上げにもあった。

直線を基調に端正に仕上げられたそれは、きわめて機能的な空間で、シートの座り心地も個人的には軽自動車のそれとは信じられないほどに素晴らしく感じた。使い古された表現ではあるが、それはまさに『小さな高級車』の世界だ。

日産サクラを100km以上も上回る

N-ONE e:がフロア下に収納するリチウムイオンバッテリーは、薄型デザインと温度管理を徹底して追求したことを特徴としている。総電力量は29.6kWhだ。

一充電走行距離はWLTCモードで295kmと発表されているが、これは日産サクラを100km以上も上回る数字になる。価格はこのLグレードで319万8800円と同様の比較ではやや割高だが、航続距離の長さは大きな魅力だ。

こちらは『e:G』(価格269万9400円)。ホイールがLのアルミに対しスチールとなる。
こちらは『e:G』(価格269万9400円)。ホイールがLのアルミに対しスチールとなる。    平井大介

実際にドライブしてみたN-ONE e:の走りは、そのエクステリアやインテリアのフィニッシュから想像していたとおりに、常に高級感に包まれていた。

最高出力で64ps、最大トルクでは162Nmを発揮するエレクトリックモーターの性能は、1030kgの車重を負担するには必要にして十分なもの。発進時の動きもナチュラルに制御されている。

もちろんさらに俊敏な加速を期待したいのならば、アクセルペダルを強く踏み込むことで、BEVらしい瞬時に得られる最大トルクを味方にした、スポーティなフィーリングを楽しむこともできる。

そしてこのN-ONE e:の走りに感動的なまでの高級感を生み出している最大の理由は、その静粛性にある。BEVなのだから静かなのは当然という考えもあるかもしれないが、モーターからのノイズは実際にキャビンへ伝わることはほとんどないし、ロードノイズも最小限に抑えられている。

振動への対策が素晴らしいことも特筆すべきポイントだ。そのドライブを体験すれば、誰もが軽自動車に対する認識を大きく変えるのではないか。14インチ径のタイヤを装着しながら、ここまでの乗り心地を実現したことは個人的に最も高く評価したいところだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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