【ホンダ・スーパーワン・プロトタイプ】まるでシティターボIIブルドック!N-ONE e:ハイパフォーマンス版は来年発売 #JMS2025

公開 : 2025.10.29 08:00

ホンダはジャパンモビリティショー2025で、『スーパーワン・プロトタイプ』を世界初公開しました。日本では既に発売されている軽自動車EV『N-ONE e:』のハイパフォーマンス&乗用車版です。桃田健史が解説します。

2026年から日本を皮切りに発売を予定

『ブルドッグ』と呼ばれた『シティターボII』を彷彿させる、実にホンダらしいEV『Super-ONE Prototype(スーパーワン・プロトタイプ)』が登場した。プロトタイプと称しているが、決してデザインスタディではなく、2026年から日本を皮切りにアジア圏やイギリスなどで発売を予定する。

『Super-ONE』という車名やオーバーフェンダーを装着した外観からも分かるように、『N-ONE』と同じNシリーズの派生系である。既に発売されている軽自動車EVの『N-ONE e:』をベースとしており、日本では登録車規格に対応した。

ホンダ・スーパーワン・プロトタイプ
ホンダ・スーパーワン・プロトタイプ    本田技研工業

軽自動車としての軽量プラットフォームによって軽快でキビキビした走りを実現し、その走りはすでにお披露目されている。7月に英国ウェスト・サセックス州グッドウッドで開催された『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード』(現地時間7月10〜13日)でのことだ。

そう聞くと、ナイジェル・マンセル氏による1986年型『ウィリアム・ホンダFW11』の姿を思い出す人が多いだろう。FW11が快走した全長1.16マイル(1.856km)のヒルクライムで世界初登場の『スーパーEVコンセプト』が走行しているが、これがスーパーワン・プロトタイプのテスト車両だったのだ。

英国現地でもコンセプトに関する技術詳細は公開されていないが、見るからに売る気マンマンで、量産を前提としたしたプロトタイプという雰囲気があった。

プラットフォームは共通でも性格が大きく違う

改めてスーパーワン・プロトタイプを見てみよう。

左右に張り出したブリスターフェンダーでワイドトレッド化。クルマの四隅にドッシリした雰囲気がある一方、N-ONE e:ベースによる可愛らしさも感じさせるエクステリアだ。

ホンダ・スーパーワン・プロトタイプ
ホンダ・スーパーワン・プロトタイプ    本田技研工業

インテリアは基本的に意匠はN-ONE e:を踏襲しいるが、シートデザインがスポーティに振っている。

筆者は先日、横浜市街で開催されたN-ONE e:の報道向け公道試乗会に参加したが、ホンダはその際N-VAN e:、N-ONE e:に次ぐEVの登場を予告した。

その上で、N-ONE e:のグランドコンセプトは『e:デイリーパートナー』とし、ターゲットユーザーを40〜50代女性(20代女性含む)と説明していた。

つまり、スーパーワン・プロトタイプとN-ONE e:ではクルマの性格がかなり違う。

現時点で分かっているのは、モーター出力を拡大する『BOOSTモード』があること。さらに、あたかも有段変速機を祖立てたエンジンのようにな迫力あるサウンドと鋭いシフトフィーリングを実現しているという。

ただしパドルシフトなどは採用しておらず、アクセル操作によって有段変速機をイメージさせる効果を発揮する。プレリュードで採用したS+シフトの技術が応用されているのではないだろうか。

その走り、できるだけ早い時点で体感してみたいものだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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