【ホンダとのEV開発中止を受けて】アフィーラ・ロスでもソニーのモビリティ戦略は終わらない Sライド連携で感じた立体音響技術

公開 : 2026.04.13 12:05

ソニーの車載音響・エンタメの研究開発は走り続けている

AVの専門家ではないので、両者の違いを正確に説明することはできないけれど、車内で音が駆け巡るようなライブ感は、アフィーラ1と今回の自動運転エンタメタクシーで一致していた。

つまりアフィーラ1の開発は中止されたが、ソニーの車載音響・エンタメの研究開発は走り続けているというわけだ。

発表会では『Sライド・エンタテインメント・モビリティ構想』を詳しく解説(配布された資料より)。
発表会では『Sライド・エンタテインメント・モビリティ構想』を詳しく解説(配布された資料より)。    Sライド

僕はこういう仕事をしていながら乗り物酔いしやすい体質で、助手席や後席で動画を見ていたりすると、すぐに気分が悪くなってしまう。ところが今回は、加減速や右左折を繰り返していたのに酔わなかった。

この点もソニーは工夫していて、乗員の頭の動きに合わせて映像を揺らすことで、乗り物酔いを防止するという技術が盛り込まれていたのだった。

自動車業界は、クルマを作って売ることが最終目的だと思っている人が多いようだ。でも一歩業界を離れれば、それが常識とは限らない。

いち早く自動運転の研究開発を進めたグーグル

たとえばグーグルは、いち早く自動運転の研究開発を進め、2015年に卵型の2人乗り自動運転車両を公開したものの、まもなくウェイモとして分社化してからは、既存の車両に自動運転技術を搭載する方針に転換した。

でもそれが失敗ではなかったことは、現在全米10都市でロボットタクシーが実用化されていることで明らかだ。

しかも自動運転となれば、車内でできることが一気に増える。中国ではロボットタクシーでカラオケをする人が出てきているそうだが、運転手がいないからこそ自由気ままに過ごせるというのは、むしろ日本人のほうが当てはまるだろう。

今回、Sライドが走らせた自動運転エンタメタクシーは納得できる内容だし、ソニーのモビリティ戦略は終了したわけではなく、着々と進行していることもわかった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事