ランボルギーニのトップが初めて吐露した弱音(後編) 中東戦争をきっかけとする世界的混沌【不定期連載:大谷達也のどこにも書いていない話 #5】

公開 : 2026.04.18 12:25

今後について楽観視していない

いずれにせよ、コロナ禍以降、ウルライナ侵攻、アメリカの関税、中東紛争と、世界経済に影響を与える様々な問題が頻発している印象は拭えない。世界は不可実性を増しているといっても過言ではなかろう。それゆえに、ヴィンケルマン自身も今後については楽観視していない。

「いまのところ大きな問題は起きていませんが、将来的により厳しい状況に可能性はあると捉えています」

今年はテメラリオの生産も軌道に乗り、販売台数はさらに伸びていくと予想される。
今年はテメラリオの生産も軌道に乗り、販売台数はさらに伸びていくと予想される。    ランボルギーニ

ヴィンケルマンが将来的な見通しについてこのような発言をしたことは、私が知る限り、今回が初めてのこと。それくらい、今の世界は混沌としているというべきだ。

そんなランボルギーニとって心強い材料といえるのが、『ディレッツィオーネ・コル・タウリ』の成功であろう。ランボルギーニは、この電動化戦略に基づいてカタログモデルの3車種をいずれもプラグインハイブリッド化したが、どれも市場では好評で、これがランボルギーニの成長を力強く後押ししているとヴィンケルマンは主張する。

「ディレッツィオーネ・コル・タウリを発表したとき、私は『今後もランボルギーニを変えないために、ランボルギーニのすべてを変える』と申し上げました。この言葉が意味していたのは、製品をプラグインハイブリッド化しても官能性はこれまでと変わらないばかりか、パフォーマンスは従来品よりも向上し、CO2排出量も削減するというものです。

この約束は完全に果たされたと考えています。また、2026年にはテメラリオの生産も軌道に乗るので、販売台数はさらに伸びていくでしょう。私たちの戦略は期待どおりの方向に向かっています。そして、いまは現実的な次のフェイズに入ろうとしています。つまり、製品のプラグインハイブリッド化は確実に機能しているといえます」

柔軟に対策を講じていく努力

時代の動向を見据えながら製品の進化を確実に図る一方、市場の動向や世界情勢にも目を光らせながら柔軟に対策を講じていく。こうした努力を続けてきたからこそ、ランボルギーニはこれまで成功の道を歩んでこられた。

今後も不安要素は残るが、サンタアガタ・ボロネーゼの経営陣が常に最善の選択をしてくれることを期待したい。

柔軟に対策を講じてきたからこそ、成功の道を歩んでこられたランボルギーニ。今後にも注目だ。
柔軟に対策を講じてきたからこそ、成功の道を歩んでこられたランボルギーニ。今後にも注目だ。    ランボルギーニ

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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