フェラーリ・アマルフィ・スパイダーは単なるエントリーモデルに非ず 車両価格4061万円から見える戦略【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.04.20 12:05

キャビン内のエアの流れを最適に制御

気になる重量に関しては、「クーペに対して86kgの増加となりますが、最新の軽量設計を施したことよって、パフォーマンスには大きな違いは表れていません」としている。

アマルフィ・スパイダーはまた、ハイウエイにおけるスピード領域でも、常に快適な移動空間を提供してくれるモデルだ。そのために左右後席中央部に電動のウインドウディフレクターが装備され、キャビン内のエアの流れを最適に制御している。メッジョリン氏にとっても、それは同車の大きな特徴として強調すべきところだった。

クーペに対して86kgの増加となるが、パフォーマンスに大きな違いは表れていないという。
クーペに対して86kgの増加となるが、パフォーマンスに大きな違いは表れていないという。    フェラーリ・ジャパン

「走行中にキャビンで感じるタービュランスは、高速域でも最小限に抑えられています。まるでオープントップではないモデルのような快適性を、カスタマーは体験するでしょう」

日本市場における価格や投資

アマルフィ・スパイダーのカスタマーへの納車は、日本では早ければ2027年冬、あるいは2028年初頭にはスタートする予定となっている。

そこでクーペとスパイダーの販売比率、そして現在の日本市場におけるフェラーリ車の価格やさらなる投資についての質問に答えてくれたのはロマニエッロ氏だった。

640psの最高出力と77.5kg-mの最大トルクを誇る、3.9LのV型8気筒ツインターボを搭載。
640psの最高出力と77.5kg-mの最大トルクを誇る、3.9LのV型8気筒ツインターボを搭載。    フェラーリ・ジャパン

ローマ・スパイダーの時は、クーペの誕生からスパイダーが発表されるまで、約半年のタイムラグがありました。さらに納車ベースでは約2年間の時間が必要になったわけですが、クーペを購入されたお客様の多くは、その後スパイダーへと乗り換えられています。

スパイダーの販売比率は市場によって差があると思いますが、日本ではそれは非常に近い数字と考えられます(筆者注:50対50の意と思われる)。販売価格については為替の影響はもちろん非常に大きいですが、フェラーリは2021年から2025年にかけて約24%の上昇という数字にそれを抑えています。

不動産などの価格上昇率と比較すれば、フェラーリ・ジャパンの価格設定は十分に頑張っているといえるのではないでしょうか。イタリア本国との価格差も、競合するほかのブランドと比較すれば小さいですから。日本での新しい投資としては、ニューヨークや上海に続くテーラーメイド・センターの開設などを計画しています」

日本市場での車両本体価格は4061万円

パフォーマンスとエレガンスを、まさに世界最高のレベルで両立させたアマルフィ・スパイダー。参考までに日本市場での車両本体価格は4061万円。フェラーリというブランドに新たなカスタマーを導くには、それはとても戦略的な数字といえそうだ。

アマルフィ、そしてアマルフィ・スパイダーは、ただ単にフェラーリのエントリーモデルとしてラインナップされているモデルではない。実際のフィニッシュやエンジニアリングを見て、筆者はそのような感想を強く抱かされた。

日本市場での車両本体価格は4061万円となる。
日本市場での車両本体価格は4061万円となる。    フェラーリ・ジャパン

その存在がライバルメーカーに与える影響は、きわめて大きなものになりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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