2019年式ミニを約32万円かけて洗車した結果 買い替えるよりもお得? オーナーのジレンマ【UK編集部コラム】

公開 : 2026.04.07 17:05

UK編集部の記者は最近、2019年式のミニに1500ポンド(約32万円)をかけて徹底的な洗車とコーティングを施しました。愛車を手放す決心がつかないのであれば、新車のように蘇らせるのも1つの方法です。

慣れ親しんだクルマを手放したくない

今のまま乗り続けるか、それとも買い替えるか。これは多くの自動車オーナーが経験するジレンマだ。1つの解決策は、自動車業界の古い格言「2年目で買い、4年目で売る」……つまり、クルマは2年目で最も急激に価値が下がるという理屈に従うことだ。

新車時よりはるかに安いが、まだ新しさがあり、メーカー保証も残っている。賢い買い方と言えるだろう。2年後、まだまだ最新モデルのように見え、走行距離もおそらく6万5000km程度にとどまり、価値の下落は緩やかになっている。賢い売り方と言えるだろう。

UK編集部の記者は最近、2019年式のミニ(画像)に徹底的な洗車を施した。
UK編集部の記者は最近、2019年式のミニ(画像)に徹底的な洗車を施した。    AUTOCAR

問題は、このように定期的にクルマを買い替えることで、2年ごとの試乗とクルマ探し、そして新たなローン契約の繰り返しに縛られてしまうことだ。それだけでなく、クルマの購入費用や維持費も以前より高くなっている。経済情勢に対する懸念も加味すると、慣れ親しんだ手頃なクルマに乗り続けることこそが、魅力的な選択肢に見えてくる。

4年前の2022年4月、英国在住の筆者の妻は、ミニのディーラーで3年落ちのミニ・クーパー・スポーツ(AT車)を購入した。2019年式で、走行距離は1万2000km、価格は2万1895ポンド(約460万円)だった。

ブラックのボディカラーにJCWキット、パノラミックルーフ、シートヒーターを装備しており、妻とっては夢のクルマだった。現在、走行距離は6万3000kmに達し、その価値は約1万2500ポンド(約260万円)となっている。一方、同じモデルで3年落ち、走行距離1万2000kmの中古車は、いまだに約2万2000ポンド(約460万円)で取引されている。

新車のように蘇らせる方がお得?

妻は、自分のミニの価値が9500ポンド(約200万円)も下がったことをなかなか受け入れられずにいる。しかし、今後も価値が下がり続けるとしても、今すぐに買い替える気にはなれないようだ。いずれにせよ、彼女はミニの整備記録をきちんと残しているし、何よりこのクルマをかなり気に入っているのだ(自動車業界には「感情に流されず、冷静に判断せよ」という格言もある)。

とはいえ、ミニも年季が入り始めている。明るい光の下では、筆者が小傷を磨いて消そうとした箇所がはっきりとわかる。エンブレムやトランクのヒンジの周りには苔が生え、ルーフには樹液の跡が点在している。プラスチック製のフェンダートリムはグレーに色あせている。

施工前のミニ。汚れや傷、色あせた樹脂パーツが目立つ。
施工前のミニ。汚れや傷、色あせた樹脂パーツが目立つ。

数年前、筆者はAUTOCAR UK編集部の取材で、洗車およびコーティング専門業者の仕事を見学したことがある。今回、パソコンでいろいろと探していると、英国エセックス州チェルムズフォードに拠点を置くニュー・アゲイン(New Again)という業者を見つけた。

「クルマの修復は、新車を手に入れる最も安価な方法だ」と宣伝文句には書かれていた。「当社はあなたのクルマに新たな命を吹き込み、見た目も乗り心地も新車のように蘇らせることができる。しかも、買い替えに伴う高額な費用はかからない」と。

さっそく、筆者は電話をかけてみた。

「クルマを買う際、支払額のかなりの部分はディーラーの利益になります」と、1987年に同社を設立したゲイリー・レイ氏は語る。

「見た目が少し古くなったというだけの理由でクルマを売るなら、お金を節約して、いろいろと改善してみてはどうでしょうか? 自分がよく知り、信頼しているクルマです。買い替えるよりもアップサイクルする方が、地球環境にとっても良いのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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