排気量20.0L超は当たり前? 世界最大のエンジン 19選(後編) 20気筒ディーゼル&後輪駆動のモンスターも

公開 : 2026.05.17 11:45

フィアットS76:28.3L

ブリッツェン・ベンツの成功を受け、フィアットは1910年に「トリノの野獣」の異名を持つ強大なS76を2台製作した。そのエンジンは4気筒で、各シリンダーの排気量が7.1L近くに達する。かつては飛行船用エンジンから流用されたと言われていたものの、現在ではこの車両のために特別に設計されたものとされている。

S76は陸上速度記録を樹立できるほどの速さを誇ったが、1時間以内に往復走行を完了することはできなかった。2台とも行方不明と思われていたが、英国の愛好家ダンカン・ピタウェイ氏が、一方のシャシーともう一方のエンジンを用いてレプリカを製作し、レースに出場した。

フィアットS76:28.3L
フィアットS76:28.3L

ブルーバード:37.0L

サー・マルコム・キャンベル氏(1885-1948)が運用したブルーバードの最終モデルは、航空レース用に設計され、高速艇にも搭載されたことのあるスーパーチャージャー付き37.0Lのロールス・ロイスRエンジンを採用している。

最高出力2300psのこのエンジンを駆使し、キャンベル氏は1933年2月に時速272.46マイル(438.48km/h)、1935年3月に時速276.816マイル(445.49km/h)、そしてその5か月後にはついに時速301.129マイル(484.62km/h)という記録を打ち立てた。時速300マイルの壁を初めて破ったマシンだ。

ブルーバード:37.0L
ブルーバード:37.0L

パッカード・ベントレー(メイビス):41.8L

クリス・ウィリアムズ氏が所有する24.0Lのネイピア・ベントレーは、ヴィンテージカーイベントで大人気だが、オーナー本人はどうやら過激さが足りないと感じていたようだ。2010年、彼はさらに衝撃的な『メイビス』を完成させた。

1930年製ベントレー8リッターのシャシーをベースにしており、第二次世界大戦中に魚雷艇で使用されたパッカード4M-2500 V12エンジン(航空機用エンジンの船舶版)を搭載している。排気量41.8Lで、1500psを発生するとされている。

パッカード・ベントレー(メイビス):41.8L
パッカード・ベントレー(メイビス):41.8L

ブルータス:46.9L

航空機用エンジンを搭載したクルマの中で、ブルータスほど圧倒的な存在はない。第一次世界大戦前のアメリカン・ラフランス製シャシーをベースに、46.9LのBMW VIエンジンを搭載している。

1920年代に設計されたこのエンジンは、BMWにとって初のV12エンジンであり、圧縮比を選択でき、出力は600psを超えるものから用意されていた。多くの航空機に搭載されたほか、1931年に時速143マイル(230km/h)を記録した実験的なプロペラ駆動の鉄道車両にも搭載された。

ブルータス:46.9L
ブルータス:46.9L

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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