直管マフラーの雄叫び サンビーム・アルパイン・ラリー(2) まったく違う世界観を垣間見る
公開 : 2025.11.22 17:50
高品質なモデルを安価に提供した、サンビーム・タルボ ラリーで得た知見を量産車へ イメージを上昇させた流線型ボディ 細部まで忠実にレストア UK編集部が70年前のワークスマシンをご紹介
もくじ
ー誇らしいバンパーのナンバープレート
ー持久戦へ備えた内容 細部までオリジナルへ忠実
ーアイボリーのスイッチが並ぶ華やかな内装
ー燃焼音が轟くストレート状態のマフラー
ー今とまったく違う世界観だった1950年代
誇らしいバンパーのナンバープレート
「このサンビーム・アルパインが現存するのは、アルペン・ラリーへ出場しなかったからでしょう。でも、自分は酷使しています。トランスミッションのリビルドは、3回目です」。と、オーナーのジョナサン・ブレイム氏が笑う。
「エンジンは頑丈ですが、トランスミッションが弱点なんです」。すべてのギアでオーバードライブが選べ、コラムシフトはオリジナル。「ケーブルでギアを切り替え、オーバードライブは電動で動作します」。と続ける。

フロントバンパーには、RHP 700のナンバープレートが誇らしく掲げられる。ラリーに必須といえたルーカス社製のフォグランプと、ライセンスを受けたレーシングドライバーへ贈られるRACのエンブレムも誇らしい。
ボンネットのセフティーキャッチャーは、気流を乱さないよう内側。レザーバンドで固定され、激しい走りへ備えている。彼は、これで年間4000kmを過ごしているそうだ。
持久戦へ備えた内容 細部までオリジナルへ忠実
4気筒エンジンは、ルーツ・グループの別ブランド、ハンバー由来。ゼニス社製キャブレターを覆うエアクリーナーが、不自然に小さい。ホワイトのオイルレベルゲージが目立つ。プラスアースのバッテリーは、バルクヘッドの高い位置に載る。
エンジンは、チューニングに対する許容力が高かった。「ツインキャブレターも試されましたが、高地ではバランスが安定しなかったようです」。ブレイムが説明する。

フロントガラスを温めるヒーターは、スミス社製。燃料フィルターとコイルは、2基づつ。予備の電球や点火プラグなど、持久戦へ備えた内容が見て取れる。
荷室には、スペアタイヤが2本と80Lの燃料タンクが収まる。フィラーキャップも、オリジナルへ忠実。油圧ジャッキはスウェーデン製で、探すのに数年を費やしたとか。タイヤチェーンは、箱入りの新古品を探し出したという。
アイボリーのスイッチが並ぶ華やかな内装
ボンネットが長く伸び、テールは先細り。フロントフェンダーのラインが、滑らかにボディへ消えていく。リアウインドウは大きい。ホワイトのステアリングホイールが、半円形のスピードメーターや、アイボリーのスイッチが並んだ華やかな内装と調和する。
「当時のマシンは、できる限りのスペアパーツを載せて走りました。アルペン・ラリーでは、外部の支援を受けることが許可されていなかったので」。ブレイムが説明する。

バケットシートは、オリジナルに準じた設計で作り直されている。クロスは列車用の高耐久なもので、表面は洗浄可能。背もたれの裏には、地図や書類などをまとめられるケースが備わる。救急箱やタオル、クリップボードも、現役時代の通りだという。







































































































